そろそろ発達障害を「才能」か「障害」の二択にするの、やめてもらえませんか?

発達障害はびっくりするくらい両極端なイメージを持たれていると感じています。
 

ひとつは「発達障害は才能である」というタイプ。例えばエジソン、アインシュタイン、最近だとスティーブ・ジョブズなどのように、過去の天才と呼ばれる人たちの中に発達障害ではないかと噂される面々がいることの影響は少なくありません。
 

もうひとつは「発達障害は、あくまでも障害である」というタイプ。ここ数年の風潮でもある気がしますが、発達障害と聞いただけで、コミュニケーションが苦手で、仕事は長続きせず、配慮が必要で…という印象をもたれることがありますが、その印象の積み重ねの影響も大きいものです。
 

それぞれのイメージは「発達障害を特別視しすぎている」という点で共通していると思っています。私なんて、自身の発達障害を伝えると「えっ、見えないですね」と驚かれることもありますが、きっと「一定数の発達障害者は才能でも障害でもなく、ふつう」なんだと思います。
 


 

発達障害に「才能」というイメージがくっつくようになったのは「能力差が激しいこと」が挙げられます。いわゆる凸凹と表現される特性です。
 

能力差があると、得意なものは「才能」のように見えるのかもしれませんが、発達障害による困りごとを補って有り余るほどの、プラスの面がないひとだってたくさんいます。エジソンやアインシュタインのように「学校の勉強ができなくても、これは得意!」みたいな絶対的な武器を持てるひとばかりではありません。天才は数が圧倒的に少ないからこそ、天才です。
 

もともと、ひとが持っているものは不公平なのです。
 

マイナス面を分析してみると、なんとかしてそのマイナスをクリアする方法を編み出そうとします。後天的に独自の強みができる人はいるかもしれません。しかしそれは、才能なのではなく、うまく生きていくための適応の仕方が他の人と違っただけではないでしょうか?
 

「発達障害は、あくまでも障害である」という認識でいるひとと対峙したとき、私の場合で言えば、部屋を片付けられないの?と言われたり、「超コミュ障」だと受け取られたりということがありました。中には、電車の時刻表にめっちゃ詳しいの?と聞かれたこともあります。
 

たしかに苦手ではありますが、部屋の片付けはしていますし、多少、集団でいるときに会話がちぐはぐで浮いていることもあるんでしょうが、パッと見でわかるほど変な行動はしていないはずです。発達障害を他の誰かから指摘されたことは30年生きていて1回だけです。
 

障害は、その特性が色濃く出るひともいれば、薄くしか出ないひともいます。発達障害がメディアで取り上げられていても、その大変なところばかりが強調されるのは、正直いって、ピンと来ません。あまりにも大変そうな方々が特集されていると「私程度で、発達障害とか名乗っちゃいけないのかな」と、たじろいでしまうくらいです。
 


 

才能だという捉え方も、障害だという捉え方も「発達障害の特性を過大視したイメージである」という点では共通しています。もちろん、ポジティブに「伸びる場所を探す」という才能論の方がありがたくはありますが、大きすぎる期待は時と場合によっては負担にもなります。実態に即していないのは、どちらも同じだと思っています。
 

発達障害の認知拡大、理解促進のために、わかりやすいイメージを作り上げたのかもしれません。当事者たちも、配慮を受けるために、自分たちが生きやすいように、そのイメージ作りに乗っかった部分もあるように感じます。
 

配慮についていえば、発達障害だからといって、配慮を受ける必要なんてありません。その特徴によって「困っていること」があるときに、他の誰かの力を借りればいいのだと考えています。もっと突っ込んで言えば、たとえ発達障害があったとしても、困っていないのであれば、わざわざ診断を受ける必要はないのかもしれません。
 

発達障害に限った話ではありませんが、特別視しすぎたところで、いいことってあまりありません。実態に即していないイメージを持ちやすくなり、本来の姿が見えにくくなってしまうからです。
 

才能とも障害ともいえない、中途半端な感じの発達障害の人もいるんです。
 

まぁ、こんなことを書いている私自身が、つい2年前まではものすごく特別視していたので、偉そうなことは言えないんですが。
 

記事をシェア

この記事を書いた人

森本 しおり

1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。
幼い頃から周りになかなか溶け込めず、違和感を持ち続ける。何とか大学までは卒業できたものの、就職後1年でパニック障害を発症し、退職。障害福祉の仕事をしていた27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、少しずつ自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。
自身の経験から「道に迷う人に、選択肢を提示するような記事を書きたい」とライター業務を始める。