仕事の愚痴を言うのはダサい、みたいな風潮がダサいし生きづらい。

6月は夏のボーナスの季節。新橋のサラリーマンに「今年のボーナスはどうでしたか?」とインタビューしている映像を見たことはあるのではないでしょうか。私自身はボーナスに無縁な人間ですが。
 

ボーナスや給料に限らず、仕事に関する愚痴をこぼしている会社員のニュースが流れると、必ずといっていいほど「愚痴をこぼしてるだけじゃなくて、解決のために動け!」という意見がでてきます。特にTwitterなどのSNSを中心に。
 

「愚痴ってるだけじゃなくて解決のために努力しろ!」とか「仕事の愚痴を言ってるだけはダサい」とか、そんな意見がわかる部分もあります。多くの人は愚痴っているだけで、解決のためには行動していないからです。
 

むしろ、愚痴を言っていたり、「会社のここがおかしい!」と発言したりすることが解決のための行動だと思っている人たちもいます。これではブログで「私はこんなに生きづらい!社会のせいだ!!」って書いているだけの人たちと同じです。たしかに何の解決にもなりません。
 

でも、解決にならなくても、愚痴ったっていいと思うのです。
 

愚痴
 

愚痴るときがあってもいい。にんげんだもの。

 

私自身も愚痴を言っているだけの人はどちらかといえば苦手です。
 

それでも愚痴ることは重要だと思います。居酒屋で会社の愚痴を言い合っている会社員が不健全だとは思いません。生活していれば愚痴が出てくるのは当然です。
 

人間はいろいろなストレスを受けながら、日々生活しています。ストレスがたまれば愚痴を言いたくなることもあって当然です。愚痴を言うことでストレス解消になるのでれば、どんどん愚痴ればいいのです。
 

とはいえ、愚痴を聞かされる側は、それはそれでストレスになっている可能性もあるので愚痴る相手への配慮も忘れてはいけません。
 

誰も愚痴を言わない組織って気持ち悪い

 

自分は絶対に愚痴を言わない!という人や、「自分の組織からは愚痴をいう人をなくしたい」なんて言っちゃう経営者がいます。これはとても危険な思想です。
 

先ほども書いたように、人間は生活している中で日々ストレスを感じます。日々のストレスがあるのだから愚痴るのは当たり前です。
 

もし愚痴をまったく言わない人たちばかりの組織があったとしたら、それは洗脳された狂信的な人たちの集まりです。成果を残すために敢えて狂信的な集団をつくりあげている経営者もいますが、私は気持ち悪くて嫌いです。
 

組織の中で愚痴が言えない、弱音も吐けない、「楽しいです!」って言い続けないといけないなんて異常です。程度の問題はあれ、役職、部署、入社年次など、組織内にあるコミュニティの中で愚痴が言いあえるのは健全な組織です。
 

ストレス
 

他人に大きな迷惑をかけないように、自分なりのやり方で精神衛生を保つ。

 

過度なストレスがかかって心身に不調をきたすくらいなら、日ごろからどんどん愚痴って、弱音を吐いて、少しでも自分のストレスを軽減すべきです。
 

ブログやSNSで社会への愚痴、会社への愚痴を書いている人たちも、それで自分の気持ちがすっきりするのであれば、どんどんやればいいのです。
 

ただ、注意しなくてはいけないのが、愚痴も言い方や書き方によって人を大きく傷つけることになったり、愚痴を聞かされる側に過度のストレスを与えたりということもあります。自分の精神衛生を保つために、他の人の精神衛生を侵害していいわけではありません。
 

私もやってしまいがちですが、お互いが精神衛生を保つために配慮し合いながら、健全に愚痴を言い合える環境づくりをしていきたいものです。
 

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この記事を書いた人

井上洋市朗

「なんか格好良さそうだし、給料もいいから」という理由でコンサルティング会社へ入社するも、リストラの手伝いをしてお金をもらうことに嫌気が差し2年足らずで退職。自分と同じように3年以内で辞める若者100人へ直接インタビューを行い、その結果を「早期離職白書」にまとめ発表。現在は株式会社カイラボ代表として組織・人事コンサルティングを行う傍ら、「生きづらい、働きづらい環境を変える方法」についての情報発信を行っている。