えっ!訴えられる!?2016年4月からの「障害者差別禁止指針」「合理的配慮」の注意点

皆さん、ごきげんよう。矢辺です。なんだかとても久しぶりになってしまいました。
 

さて、2016年4月より「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮」を企業は実施しなくてはいけないことになりました。障害者差別解消法の施行によるものです。今回は、それに伴う障害者側と企業側における注意点を書いてみます。
 

20160212
 

障害者差別禁止指針では、すべての企業を対象に、募集や採用に関して障害者であることを理由とする差別を禁止することなどを定めています。
 

具体的には、以下の項目などが当てはまります。
・障害だけを理由に選考不合格にする
・昇格、昇進を障害を理由にしないこと
・社内教育などを障害者だけ受けさせないこと
 

合理的配慮指針では、すべての企業を対象に、募集や採用時には障害者が応募しやすいような配慮を、採用後は仕事をしやすいような配慮をすることです。
 

具体的には、以下のような項目です。
・聴覚障害の場合、筆談で面接対応をする
・精神障害の場合、通院・体調への配慮を行う
・身体障害の場合、机の高さを調節するなど、作業を可能にする
 

それでは、注意点に入っていきます。
 

車いす
 

障害者側が注意すべきこと

 

障害者側が注意すべきことは、合理的配慮が義務化されたからといって、企業側に完璧を求めないようにしましょうということです。企業側が完璧に「あなたにどんな配慮が必要か?」「何を望んでいるか?」がわかっているはずはありません。組織とはいえ、お互い人間同士です。
 

自分にはどんな配慮が必要で、どうしてほしいのか?という要望をしっかり出す。そして、企業としてもできること・できないことが確実にあることを認識する。企業活動は慈善事業ではなく、営利を求めるもの。単に配慮を要望するだけではなく、その合理的配慮によって、どれだけ会社に貢献できるようになるのかという提案まで行うことができると、企業側との信頼関係が築きやすいのではないでしょうか。
 

合理的配慮とは、健常者と同じスタートラインに立てること。それによって、自分がどんな成果を出せるのか、どんな役割を果たすことができるのか。ビジネスの場は、Give and Takeです。合理的配慮を求めるばかりでは、企業というビジネスの場で通用することはできません。合理的配慮は受け取る側、Takeの側面があることを理解して、自分はどんなGiveができるか提案していかないことには、企業で活躍することはできないでしょう。
 

合理的配慮によって、健常者と同じスタートラインに立った次のステージは、甘えられない・言い訳のできないビジネスの世界が待っています。
 

企業側が注意すべきこと

 

企業側の注意点は、「どんな配慮が必要か」を当事者と同意を取ることです。「聴覚障害だから◯◯」「知的障害だから◯◯」というように杓子定規に配慮を決めてしまわないことです。同じ障害でも一人ひとり、障害状況や必要な配慮が違います。
 

「どんな配慮が必要か」を確認し続けることが合理的配慮です。そして、その配慮は職場でも徹底させなくてはなりません。人事担当者が障害の配慮について理解していても、部署で徹底できず退職してしまうということはよく起こります。
 

私自身、障害者雇用に関するセミナーや研修で口を酸っぱくして言いますが、障害の配慮はベターではなくマストです。「できたらやる」「気付いたらやる」ではなく、「やらなければならない」ことです。
 

「障害者差別禁止指針」「合理的配慮」が導入されるこのタイミングで改めて部署に徹底させていくことが大切でしょう。障害者に訴えられてからでは、時すでに遅しです。
 

2020年にはオリンピック・パラリンピックが開催されます。 それまでに、障害の有無ではなく、配慮が必要な人に過不足なく 配慮ができる社会になるといいですね。

2020年にはオリンピック・パラリンピックが開催されます。
それまでに、障害の有無ではなく、配慮が必要な人に過不足なく
配慮ができる社会になるといいですね。


 

合理的配慮だからと言って、障害者側は企業に完璧を求めない。合理的配慮とは健常者と同じスタートラインに立つことであると理解し、価値を発揮することを意識する。企業側は、障害者と合理的配慮について同意を得、そして、部署に徹底させる。
 

4月からいろいろと変わって大変だとは思いますが、双方にとって働きやすい環境を整備できるように、しっかりと取り組んでいきましょう。
 

本記事は、株式会社よりよく生きるプロジェクトのコラム記事を加筆修正してアップいたしました。
 

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