「障害を受容する」ってなんだ?

こんにちは。こんばんは。矢辺です。
矢部ではないです、はい。

 

さて、前回もお伝えしましたが、私は障害者雇用に関する仕事をしています。今やっていることの1つに、障害者を採用し受入れる部署に対しての受入れ前研修があります。

 

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この受入れ前研修では、障害者雇用の法律のこと、障害とはなにか?など色々お話するのですが、必ずお伝えし、私が特に重点を置いて、お話することがあります。それは、障害者がどう障害を受容するか?という話です。

 

これは、京都教育大学、岡茂さんの中途障害者の障害受容における自己概念の変化(PDF)という素晴らしい論文から拝借しています。

 

この論文には、中途障害者がどう障害を捉え、気持ちが変化していくのか?という内容です(なお、ここでは中途障害者となっていますが、佐々木さんなど先天性の方に複数名、お話をお伺いしてもこれは先天性の人も同じ、という人ばかりでしたので、私は、中途障害に関わらず障害者全体の障害受容の経過として使っています)。

 

で、内容はざっと言うとこんな感じです。障害を受容するまでに4段階あると言っています。
障害受容の4段階

 

簡単に言えば、まず何で自分が…と思うんだけど、ちょっと自分を見せるようになって、障害の有無に関わらず自分は自分なんだって思って、自分なりの人生を生きるっていう話です。

 

障害者雇用と言うのは、この第一段階の「何で自分が…」という人や第二段階の「ちょっと自分を見せる」という段階の人も受入れる可能性がありますよ、ということを受入れ部署に事前に伝えておくんです。

 

通常の採用だと、第一段階、第二段階の人は被害者意識が強いため、懸念され、採用されることが難しいです。しかし、障害者雇用では、そもそも障害のある方の数が少ないし、障害者の雇用率があり一定割合採用の必要があるため、第一段階、第二段階の人でも採用されることがあるためです。

 

余談になりますが、障害者で内定をいくつももらう、好条件で採用される人はこの第三段階、第四段階の人が多いです。スキルなどももちろんありますが、それ以上に、他責や被害者意識ではなく、自分の軸、自分の芯を持っていて、「自分はどう貢献をできるのか?」という気持ちがあり、話していて気持ちが良い人だからです。

 

自分が何段階にいるかはなかなか自分では気付けないものです。内定が出ないって言う人は、自分が何段階にいるか他人に聞いてみましょう。どんなことを言われても受入れる覚悟をした上でね。私は責任を負えないので。

 

さて、話を元に戻します。

 

こういうことを事前に受入れ部署に伝えるわけです。でも、こう言うことを言うと職場に居づらくなるのではないか?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。そこは私、ちゃんとやります。

 

障害者のある人が、第一段階や第二段階で成長が止まってしまうのはある種、当然なんです。

 

学校が責任を持てないからと親と一緒に遠足に行かなきゃいけない。だから、友達と一緒に遊べない。運動会の100m走で自分だけ途中の50mから走るなどなど、自分は健常者とは違うんだと思わざるを得ない経験をしていく訳です。

 

このような経験をしてしまえば、どうして自分は障害者なんだろう…と思わざるを得ないですし、私が同じ状況に置かれたら同じように考えると思います。

 

それを第一段階や第二段階だからと言って、悪い人、職場に居ちゃいけない人と考えるのは違います。「いわゆる健常者と育ってきた背景、過程、体験したことが違うんだ。だから、こう考えざるを得ない人もいる。そこを理解しようよ」と伝えていくのです。

 

障害の配慮をいくらしたって、年収などの条件を上げたって、こういう背景の理解ができない限り、障害のある人は辞めちゃうんですね。自分が認められていると感じられないので。

 

てなことを伝えていく訳です。この話はとても企業さんに好評です。この手の話が理解されるようになってきたというのは、社会がよい方向に変化してきた兆しを感じます。

 

で、このようなどんな障害がある人でも受入れられるような職場は、働くみんなが幸せじゃないかって考えてます。

 

だって、誰しもが「育ってきた背景、過程、体験したことが違う」んですもん。

 

だからこそ、障害者を受入れられる組織はどんな人も受入れられる組織になる。
その人の背景を理解できる職場を増やしていきたい。

 

私はこういう思いで仕事をしています。

 

ということで、この記事に感動した人は私に仕事をください。

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