昨年に引き続き、今年も11月15日・16日に「チャレンジド・フェスティバル」が東京・日比谷公園の噴水広場などで開催されます。歌にダンス、物販にデモンストレーションなど、幅広い催しが行われます。
「チャレンジド」とは、障害者を指し示す言葉のひとつであり、最近よく使われるようになってきた言葉です。「挑戦という使命や課題を与えられ、挑戦する資格やチャンスを得たひと」という観点から障害者を表現し、自身の障害に悲観することなく、障害があるからこそ得た経験を社会に活用していこうという意味で使われています。「チャレンジド・フェスティバル」もその名の通り、障害者が主役となるイベントです。
(参考)昨年のイベントレポート://plus-handicap.com/2013/11/2034/
誰もが障害者になる可能性がある。そして障害者は障害があるから障害者なのではなく、生きにくさを感じたひとが障害者である。この考えがイベントの背景にあります。昨年もこのイベントに足を運びましたが、障害者という言葉から連想される障害者がステージに立っているというよりは、ステージに立ったひとがたまたま障害があるひとだったというほうが自然です。大会会長を務める齋藤匠さんの言葉である「私たち、障害のある人たちの存在を知ってください」という一言は、単純に障害者の存在を知ってほしいというだけでなく、その可能性を体感してほしいというニュアンスを強く感じます。
※大会会長齋藤匠さんの挨拶動画
チャレンジはどんな障害も乗り越える。チャレンジド・フェスティバルのロゴに書かれている言葉です。障害者自身が、自身の障害に悲観したり、言い訳にしたりせず、自分自身のやりたいことを実現していく。たったそれだけのことで、社会側が抱く障害者へのイメージが変わったり、自分自身の自己肯定感が高まっていったりと、ポジティブなスパイラルが回っていくのではないかと思います。実際、その体現者たちが、チャレンジド・フェスティバルのステージの上にいます。
Plus-handicapのイベントでも歌ってくれた筋ジストロフィーのシンガー、AYAKOさんをはじめ、車いすのお笑い芸人や手話パフォーマー、知的障害者のダンスユニットなど、出演者は多岐に渡っています。お目当ての誰かを見に行くも良し、一定の時間だけステージを見るも良し、フェスらしく観客の好きなように見ることをオススメします。
「障害者がこんなパフォーマンスできるなんてすばらしい」
この観点でイベントを見ることを否定するわけではありません。もちろん、その観点から、大きな感動や衝撃を受けることだってあります。ただ、パフォーマーは障害の有無に関わらず、自身のパフォーマンスで勝負をしようと考えているひとがほとんどです。チャレンジドであるからこそ、自分自身の背景と向き合い、受容し、未来へ進んでいるひとです。そんなパフォーマーがステージに立っているのですから、偏見やフィルターを通してステージを見るのではなく、ひとつひとつのステージを真正面から受け取り、感じていくことが、このイベントの趣旨に近いのかもしれません。
チャレンジド・フェスティバル公式ホームページ:http://www.challenged-festival.jp/
【開催概要】
2014年11月15日(土)、16日(日)
日比谷公園 噴水広場/小音楽堂(東京都千代田区日比谷公園1-2)