ホワイト企業

ブラック企業に加えて、最近ではブラックバイトなどという言葉も聞くようになりました。まさに、総ブラック時代の幕開けでしょう。ただし、ブラック企業が存在するためには、その対比となるホワイト企業の存在が必要です。そこで今回はホワイト企業について考えてみます。
 

ホワイト企業と聞いて、どんな企業が思いつくでしょうか?
 

残業がない会社? 残業代が1分単位で正確に出る会社? 給料が高い会社?人によって答えは様々ではないでしょうか?それは、ブラック企業の定義が人によって様々であることと同様です。もし、ブラック企業を先日の「ブラック企業を怖がることの恐怖」でご紹介した、ブラック企業大賞実行委員会が定める下記の3点とするならば、その反対がホワイト企業です。
 

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①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業

②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)

③また環境破壊や事業所の周辺環境や地元地域社会への配慮・貢献、消費者のニーズ・アフターケアに対する考慮が薄い企業なども含まれる場合がある。
 

つまり、法律に抵触する労働を意図的・恣意的に従業員に強いることなく、パワーハラスメントを従業員に強いる体質を持たず、環境破壊をせずに地域社会に対する考慮が深い企業がホワイト企業ということになります。なんだか条件がたくさん出ていますが、要するに法律を守って良識に則って運営されている企業はすべてホワイト企業ということになります。しかし、多くの人は「ホワイト企業」と聞いた時に、この条件だけでは納得しないのではないでしょうか?
 

また、ホワイト企業に近い考え方として「働きがいのある会社ランキング」というのものがあります。アメリカのGPTWという機関が策定した働きがいに関する指標を日本でも実施したのが、GPTWジャパンの働きがいのある会社ランキングです。
 

従業員規模別に2部門でランキングが発表されていますが、大企業のランキングにはIT系の企業が多いことが目立ちます。しかし、このランキングで上位に入っている企業の中には、インターネットで企業名を検索すると、予測変換で「●● ブラック企業」と表示される企業も少なくありません。実際、離職率が高いことで有名な企業が上位にランクインしていることもあります。ブラック企業の傾向として離職率の高さをあげる方もいることを考えると、ホワイト企業とはちょっと違うのかもしれません。一方で、離職率をブラック企業の基準と考えない主義の方には、このランキングがホワイト企業の基準になり得るのかもしれません。
 

さらに、企業に対する評価という意味でホワイト企業に近いものとして「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」という表彰制度があります。この表彰制度は、下記の5つが応募条件となっており、審査員の審査の結果、いくつかの賞が決まるというものです。賞を受賞した会社は障害者雇用や高齢者雇用を積極的におこなっている会社であったり、社員の育成に力を入れていたりと様々ですが、全体を通じて「社員を大切にする会社」が評価されています。ちなみに第一回の大賞(経済大臣賞)を受賞した未来工業株式会社は年間休日140日以上、年間有給休暇40日の「日本一休みの多い会社」と言われていています。
 

【日本でいちばん大切にしたい会社大賞 応募条件】

過去5年以上にわたって、下記5つの条件にあてはまっていること。

1.人員整理、会社都合による解雇をしていないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)

2.下請企業、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと

3.障害者雇用率は法定雇用率以上であること(常勤雇用50人以上の会社の場合)

4.黒字経営(経常利益)であること(一過性の赤字を除く)

5.重大な労働災害がないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)
 

しかし、年間休日が多いことよりも、昼夜を忘れて働くことに喜びを見出す人もいるでしょう。働きがい云々よりも、年収が高いことを最重要視する方も中にはいるでしょう。
 

さらに、ホワイト企業といわれている企業であっても、倒産しない保証はありません。そのとき、ホワイト企業で働いていた人たちが労働市場において評価されるとも限りません。むしろ、超長時間労働で上司に徹底的に絞られるようなブラック企業でで営業をやってきた人間の方が労働市場においては評価される可能性が高いでしょう。
 

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結局は、ブラック企業もホワイト企業も個人の選択の問題です。個人個人が自分自身にとってブラックとホワイトの条件を定義し判断する他ありません。メディアの偏った報道に惑わされずに、個々人が自分なりの条件を決めることがホワイト企業を増やしていくための最善の策なのです。
 

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