働く障害者って、何を感じているんでしょうか?

皆さん、ごきげんよう。矢辺です。
 

今日は、障害者雇用について書きます。
 

障害者雇用って、「雇用率が2%になった!」「全国平均が上がった!下がった!」など、雇用率についてはよく議論されます。しかし、働く障害者の働きがいについてはあまり議論されません。入社して障害者雇用は終わりではないのですから、働きがいについてもっと議論しても良いでしょう。
 

写真はイメージです、はい。
写真はイメージです、はい。

 

ということで、今日は、弊社が調査した「障害者社員・上司:意識調査」の事例から、障害者の働きがいについて考えてみたいと思います。下記はある会社で実施した意識調査の一部です。
 
ある会社の事例
 

表の見方を説明しておきますと、縦軸は、自社に対する満⾜度です。横軸は、「私はすべての要素を総合的に⾒たときに満⾜していた」という質問に対する各項目の重要度となります。
 

縦軸「自社に対する満足度」の60%ライン、横軸「重要度(総合満足度との相関関係)」0.4のラインに赤い線(統計上、0.4未満は「相関関係があまりない」という結果のため)が入っています。このラインを境目に、右上より反時計回りに(1)重点維持項目(2)維持項目(3)改善項目(4)重点改善項目としています。
 

(1)重点維持項目は、満足度が高く重要度も高いので、企業にとって「重点維持すべき項目」となります。(2)維持項目は、満足度は高いが重要度は高くないので「維持項目」、(3)改善項目は、満足度・重要度ともに高くないので「改善した方がよい項目」、右下(4)重点改善項目は、重要度が高い一方、満足度が低いため「特に改善すべき項目」となっています。
 

このグラフから読み取れることは、この会社の場合、

(1)重点維持項目:「人間関係」「成長実感」
(2)維持項目:「物理的配慮」
(3)改善項目:「仕事内容」「モチベーション」「承認・評価」
(4)重点改善項目:「成長実感」「モチベーション」「承認・評価」

 

この会社の障害者社員が働きがいを持つためには、「人間関係」が良く「物理的配慮」はできている訳ですから、「承認・評価」を通じて、しっかりと障害者社員の「モチベーション」を高めていくことが大事になってきます。
 

「承認・評価」の項目で特に満足度が低かったのは、「職場では人を育てることが重視されている」という設問だったので、障害者社員をしっかりと育てられる上司が増えていくことがとても大事になってくるでしょう。その結果、障害者社員が「モチベーション」を高く持ち続けることで、成果を残すことにつながり、会社にとっても価値ある人材となってくれます。
 

上記の事実が、「障害者社員・上司:意識調査」からわかりました。もちろん、あくまでもこの会社の事例です。すべての会社に当てはまる訳ではありません。だからこそ、調査を通じて、障害者の働きがいを考える機会を増やしていくことがとても大事だと考えています。
 

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この記事を書いた人

矢辺卓哉

双子の妹に知的障害があったことが「生きづらいいね!」の始まり。彼女たちを恥ずかしいと思った自分の心を恥ずかしいと思い、大学3年時、障害のある人に関わる仕事を生涯の仕事にすると決める。障害者採用支援の会社で6年間働き、株式会社よりよく生きるプロジェクトを設立。現在は、障害のある人やニート・フリーター、職歴の多い人、企業で働きたくない人などに特化した支援を行っている。また、障害者雇用を行う企業へ退職防止、障害者が活躍できる組織づくりのコンサルティングを行う。「人生を味わいつくせる人を増やす」ことが一生のテーマ。