「ゆとり問題」の本当の問題とは?(前編:ゆとり問題はなぜ起きたのか)

モテ「そう」。彼女い「そう」。チャラ「そう」。
やたら女っ気があるイメージだけが先行しています。けーすけです。
だれかこの「そう」を断定系に変えてくれる方を大募集します。
あれ?このメディアってこういう場ではない?失礼いたしました。

そんな下らない前置きはさておき。本日は「ゆとり世代」についてです。
ゆとり世代は問題なのか?そもそもゆとりってなんだ?
大学生を指導する立場から、少し考えてみようと思います。

ゆとり世代キタコレ!

昨今話題のゆとり世代。
話題になった原因は、この数年間でゆとり世代が新入社員として
入社し始めたからではないでしょうか。

 

ところでそもそも、皆さんは何をもってゆとり世代とするかご存知ですか?
諸説あるようですが、1987年4月2日~1996年4月1日生まれの人を
指すことが多いようです。
その根拠としては2002年度に施行された新学習指導要領の
カリキュラムに基づいた義務教育を受けてきた世代であるという事のようです。
※尚、87年度、88年度生まれの人は移行措置として、
1999年度(中学1年生)から導入されていたそうです。

 

確かに私が中学2年生の頃、円周率が3になるだの、
台形の面積の求め方を教えなくなるだの、
そんな騒ぎが起こっていたと記憶しています。
そして3年時には「総合」なる授業が導入され、
世界の国々について調べさせられました。
当時の私にはこの授業の意味など微塵も感じませんでしたし、
つまらない授業を受けるよりも、楽でラッキーくらいに思っていました。
また円周率などに関しても、細かい計算をしなくて良くてちょっと羨ましいな。
くらいの認識をしていました。

 

その程度の認識しかしていなかったあの改革が、
「ゆとり世代」などという言葉を生み出そうとは、、、
ところで、このゆとり世代。一体何が問題なのでしょうか。

 

世の中的に言うとこういう事のようです。
———————————————————–
・年長者に対する尊敬がなく、上下関係がわからない。
・円周率3など、基礎学力が不足している。
・マニュアルを信仰し、深く考える力が身についていない。
・体で覚えることを苦手とし、心が折れやすい。
・言われたことしかできない指示待ちの姿勢が強い。
・競争心のない、世界に一つだけのアレ現象がみられる。
And more…
———————————————————–
なるほど。こりゃひどい。

 

確かに、この世代の指導をしている身としては、
「おっしゃる通りだなぁ」と思う部分が多々あるのは間違いありません。
しかしその実態は、世の中の人たちが騒ぎ立てるほどひどい有様なのでしょうか。
むしろ私はそうでないのではないかと声をあげたいと思います。

 

私が指導している90年度前後に生まれた生徒たちを見ると、
比較的、頭がいい子が多いなというのが正直な感想。
また地に足の着いた考え方が出来るし、下手すれば私よりも大人です。
そう、現場レベルでみると捨てたもんじゃないなと思うわけです。
では一体何がこんな騒ぎを巻き起こしているのか。

 

私はその原因を大きく3つに大別してみました。
① メディアの過度な「ゆとり」批判とネガティブな解釈
② 大人たち(ゆとり世代でない世代)の自分たちを棚に上げた偏った解釈
③ ゆとり世代のメディア信仰と反論をしない姿勢
以上の3点です。

 

もちろんこれ以外にも様々な見解があるかと思います。
しかし実際に彼らと触れている私にとっては、
この3つが弊害であると思えてならないのです。
「ゆとり」が正しかったかどうか。現状で私にはわかりません。
しかしこの3つを是正しなければ、結果として「ゆとり」は大失敗となり、
これからの日本にとって大きな癌となるかもしれません。
逆にこの部分をキチンと問題意識として捉え、是正することができれば、
この「ゆとり世代」こそが日本の未来を支える重要なカギになると思うのです。

 

3つの原因に関して細かく言及したいのですが、少し長くなってしまいそうなので、
次回に持ち越しとさせていただこうと思います。
今回は序章という事で、次回をお待ちいただければ幸いです。
その時までに、皆さんもぜひ、ゆとり問題に対して考えてみてください。

記事をシェア

この記事を書いた人

坂本啓介

小学校の恩師に憧れ、教師こそ天職と信じ教員免許を取得するも、学校教育と社会が求める教育に差を覚える。勉強を教えることだけが教師の仕事なのか?人生経験をもとに子どもたちの土台を作ることが仕事ではないのか?伝えたいこと・必要なことを、声を大にして発信することは求められていないという教師の現実に葛藤を覚える。
自分の想いを堂々と、声を大にして発信する学び場を作るべく、2012年2月、神保町大学を設立。「考えるって楽しい」をコンセプトに、通常の教育機関が言わないタブーに挑み続ける。