19歳高卒女子ですが、若者の支援をしていました。

若者支援という言葉はご存知でしょうか?
 

若者支援のベースとなるのは平成22年に執行された子ども・若者育成推進法になります。あまり知られていない法律ですね。わたしも知りませんでした。この法律は働く若者が減ってまじ国的にやばいわ!どうにかしないと!っとなって作られたもの。法が執行された平成22年時点でニートは64万人、フリーターは170万人。フリーターは減少しつつありましたが、翌年から増加しています。
 

という私もこの記事を書いている時点(2014年3月28日現在)でフリーターだし、あと数日で無職です。優雅にポテチを食べながらコタツに入っている場合ではなさそうです。
 

若者支援というとこんなイメージを描きがちですが。
若者支援というとこんなイメージを描きがちですが。

 

例えば、これから同じペースで10年間、ニート・フリーターが増えていったら国はどうなりますか?もちろん、破綻します。というわけで、若者たちに働いてもらおう!税金納めてもらおう!というわけで、ニートやフリーターが働けるようにするための機関を作っていったのです。それが若者支援のはじまり。
 

若者支援の対象は15~39歳の若年無業者。年齢の幅が広いですね。15歳からみたら39歳は若者とは言えないと思うんですけどね…。いずれは一次成長期とかのように一次若者期、二次若者期とか名前がつきそうな気がします。
 

そんなわけで、わたしは約9ヶ月の間若者支援をしていました。「大田区で「若者支援」の話をしてきました。」で事業内容について少し触れていますが、主にニートやフリーターで働きたいけど働くことに自信がない人をターゲットに資格取得が出来る講座を紹介したり、居場所を作ったり、いろんな人と交流する場を提供したりといったことをしていました。
 

2014年2月1日に開催された「大田区で若者支援の話をしよう」の一コマ。私、話してます。
2014年2月1日に開催された「大田区で若者支援の話をしよう」の一コマ。私、話してます。

 

私たちのところに来る人たちは、公共の若者支援機関にハマらなかった人がほとんどです。ハローワークでガッツリ職探す気力もないし、サポートステーションで訓練してみたけど空気感やシステムが肌に合わない…そんな彼らが集まってきました。
 

私が彼らにしたことは、話や想いを聞きだすこと。働くことに自信がない人は大抵、なにか突っかかっているものを持っている場合が多く、その突っかかっているもののせいでやりたいことや、自分の想いにストッパーがかかり踏み出せずにいたりします。働いていない人たちは日常で声を発しての会話というのが極端に少ないので、自分の声でおしゃべりしているうちにハッ!と自分の想いや気になっている部分に気付けることが多くあります。
 

パソコンや携帯電話の普及により、見ず知らずの人とコミュニケーションをとることは簡単になりましたが、画面の中の言葉には自分の想いが乗りにくく伝わりにくいです。指で文字を打つよりも、声を発するほうが何倍も思考・身体に影響を与えているため、自らの声で伝え、考えられるようになって欲しいなぁという考えもあり、話を聞くことを大事にしていたりします。
 

いろいろ聞き出したあとは、「じゃあ、どうしたいですか?」攻め。ひたすらどうしたいのかを聞き出していきます。聞き出した中でこれを体験してみたらいいかも…とか、こんな人にあってみたら視野が広がりそうかも…というものに結びつけ実際に行ってもらいます。初回は緊張するのでついて行ったりしていました。そこで感じたものをまた聞き出し、やっぱりあれかな、いやこっちかな、とその人なりに沢山考えてもらい、またつながりそうな回路に繋いでみることを繰り替えします。繰り替えることにより、やりたかったこと、できることが明確になります。
 

実際に素敵に働くことが出来た方もいます。最近頑張ってるよという知らせを聞くと嬉しくなります。
 

私たちが行っていた若者支援は単なる就労支援や訓練ではありません。公共の若者支援機関は就労に重点を置きすぎている部分があるのではないでしょうか。若者が働きさえすれば、それでいい。国のシステムからみたらそうなりますが、彼らをきちんと人としてみたときに、それで良いのでしょうか?私は嫌です。
 

就労支援だけに特化した若者支援では今後また働かない・働けないの波が来るように思えます。そうならないためには、就労以外の視点からも若者をサポートしていかなければならないのではと思います。
 

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この記事を書いた人

細井愛香

平成生まれゆとり育ち。
幼い頃からシングル家庭で育ち、高校の時まで周りに心配かけない様に自分に嘘をつき続け、「生きづらい」と感じていた。丁度その時、好きなことを仕事にしている大人達に囲まれ、自分も彼らのように生きたい!と憧れてしまい、その結果、大学進学をやめ親元を離れ、団体を立ち上げ、不思議で魅力的な大人達に囲まれながら自分に正直に生きようとしている。
自分の思春期に終わりが見えないことが悩み。