よりみちをする人は、生きづらくないんじゃないか。

理由はわからないけれど、なんとなく息苦しい。
 

やる気が出なくて、何かに対して強い興味を抱くこともない。いつからか、景色が色褪せて見えるようになってしまった。他の人に指摘をされて、はじめて自分がため息をついたことを知った。
 

生きづらさは他の人には伝わらないようなものもあります。わかりやすい理由ばかりでもないのです。気のせいで片づけてしまいたくても、それもむずかしい。
 

毎日が忙しくても、心の中は退屈しているのかもしれません。
 

いきなり大きな変化を起こそうとするのはリスクが高いです。だからこそ、日常の中で小さな冒険をしてみてほしい。よりみちをする人は、あまり生きづらくないんじゃないかと思うのです。
 

よりみち
 

「生きづらさ」は、緊急かつ重大な問題が差し迫っているときに使うことが多いです。病気で苦しい人や、お金が無いけれど働けない人、ギスギスした人間関係から逃れられない人など「誰から見ても、生きづらそうな人」はいます。
 

ただ「名前のつかない悩み」も苦しいよなあと思うのです。他の人に相談したら「贅沢な悩み」と言われてしまうようなもの。表面的にはうまくいっているように見える人に多い悩みな気がします。
 

他人から見たときにどうであれ、本人が苦しさを感じているのであれば、それは生きづらい。気のせいでは片づけられないし、無理にポジティブにとらえようとすると余計にこじれます。
 

生きづらさを感じていると、頭の中は自分の悩みでいっぱいになります。自分のことにエネルギーを割いているときは、他の人を思いやる余裕はありません。大変なときは、余白やアソビのない状態になってしまいます。
 

自分のことでいっぱいいっぱいになると、客観視ができなくなります。全体像をとらえられなかったり、どこが問題なのかを勘違いしてしまったりして余計に遠回りすることもしばしば。
 

そんなときこそ、とりあえず場所を変えてみるとか、お茶を飲んで一息つくことが大切だと思うのです。問題から距離を置いてみるのです。
 

余白が無いのであれば、作ってしまえばいい。よりみちは、自分の時間をどう転ぶかわからないものに費やしてみることです。
 

今まで通ったことのない道を歩いてみたり、いつもならスマホを触っていた時間に本を読んだり、あまり話したことのない人に質問をしてみたり。無意識に手が伸びる方とは、別の方を選んでみると新しい発見をすることができます。
 

遠回りして帰ったら、景色がきれいだった。初めてのお店に入ったら、意外とお気に入りになった。冒険してみたら失敗で、やっぱり自分の定番の方がいいと思うこともあるでしょう。定番への愛着が強まることもあるかもしれません。
 

それでも、一度試してみることで自分の中の何かが変わるはずです。
 

よりみち
 

新しいものは意識的に取り入れないと、停滞の原因になります。楽な方を選び続けると守備範囲が狭くなり、頭がこり固まってしまうのです。
 

よりみちは、自分の古いパターンを壊し、新しい挑戦をしてみることです。一歩、離れてみれば、日常を客観視することにつながります。新しい出会いは、別の方向へと導いてくれることもあります。
 

未来につながるタネをまいていくイメージです。どうせなら、わからない状況を楽しんでしまえばいいじゃないですか。芽が出たらラッキー、くらいの試みです。
 

悩んでいるときに、問題から離れてみるのは勇気がいります。無駄ことをしている暇はないと不安になってしまったり、休むことも罪悪感を抱いてしまう人もいるでしょう。ただ、ちょっとよりみちしたくらいで、あなたの悩みは無くならないので心配しなくても大丈夫です。
 

大変なことに立ち向かっていくとしても、ずっと苦しみ続けている必要なんてないのです。たまには新しいことをした方がいいし、おいしいものを食べた方が元気になるし、夜は眠っていい。生きづらさから抜け出すのはマラソンのようなものなので、ペース配分が大事です。
 

生きづらい人こそ、無理のない範囲でよりみちをしてみてはいかがでしょうか。
 

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この記事を書いた人

森本 しおり

森本 しおり

1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。
幼い頃から周りになかなか溶け込めず、違和感を持ち続ける。何とか大学までは卒業できたものの、就職後1年でパニック障害を発症し、退職。障害福祉の仕事をしていた27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、少しずつ自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。
自身の経験から「道に迷う人に、選択肢を提示するような記事を書きたい」とライター業務を始める。