自分のセクシャリティを改めて確かめてきた

男友達と話していたときのこと。
 

「ねえねえ男性のタイプは?」って普通に聞いてみると「は?男性のタイプなんてないよ」って言われてびっくり。そう、私には女性のタイプがめちゃめちゃ細かくあるから。
 

・かわいい系
・身長が低め
・ロングヘアー
・黒髪か、暗めの茶色
・小顔
・あざとい
・おしゃれ
・たぬき顔
・声がかわいい
 

芸能人でいえば渡辺美優紀ちゃんとかだいすきで、生まれ変わったら、あのスペックがいい。
 

自分とは真逆のふわふわした女の子。細くて(というか薄くて)、かわいくて、抱きしめてキスしたくなるような女の子。
 

そんな話をしたら「普通、同性のタイプなんてないよ。もしかして女性が好きなんじゃない?」。寝耳に水とはこのこと。
 

女性が好き?いや、かわいい女の子が好きだけど。それって、普通じゃないの?イケメンを見ると癒やされるのと同じ感覚で、かわいい女の子を見るとめちゃめちゃ癒やされる。そう思って生きてるし、それが普通だと思ってた。
 

女の子
 

好きな芸能人、私がより深くハマるのは女性のほう。
 

かつてはAKB48のたかみなヲタをやってて、握手会の列に並んだり、同じCD何枚も買って総選挙に投票したり、ライブでは全力みなみコールしたり。
 

たかみなちゃんのどこが好きかって言われると、このコラムがたかみなの魅力で埋まっちゃうから書かないけれど、私が女性を好きになるキッカケは大抵「あぁ、自分もこんな女性になりたい」っていう憧れから。
 

同じ女性として応援したい。メイクやファッションを真似したい。とにかくかわいいからずっとみていたい。自分も魅力あふれる女性になりたい。彼女みたいにキラキラ輝きたい。
 

だから、ファンになったら大抵その女性の真似をする。たかみながロングヘアーをばっさり切ったときは、写真を持って自分も髪を切りに行った。似ても似つかなかったけど、好きな人の真似をするだけで満足する。
 

そんな感じで、好きな女性って憧れる対象だから、それは「LIKE」だと思ってたけど、もしかして「LOVE」なのか?考えたことがなかった。
 

たとえば好みのタイプの女の子と一緒にベッドに入ったら、普通に添い寝するだけなのか?それともちょっとおっぱいとか触りたくなっちゃうのか?
 

想像してるだけじゃ分からない。そんなことを考えて過ごしていたとき、女友だちが「新宿2丁目で飲もうよ」と誘ってくれた。
 

新宿2丁目
 

定番のオカマバーで楽しく飲んでたところ、友だちが「このあとレズバーに行かない?」と。
 

それは、その名の通り、レズの女の子たちが集まるバーで「面白そう!行く行く!」って返事したあと、すぐに違和感。
 

あれ?私って男性が好きなんだっけ?女性が好きなんだっけ?どっちもなんだっけ?
 

今まで男性を好きになることが多かったし、実際お付き合いしてきたのもセックスしてきたのも男性だけど、冷静に考えると、自分で自分が分からない。もしかしたらレズバーに行けば、何かしらの手がかりがつかめるかもしれない…。
 

オラ、ワクワクすっぞ!
 

ということでレズバーへ。縦に長細いつくりになっていて、中は狭く、赤色の照明で薄暗い。入口は入りやすいカンジだったのに、奥へ行けば、ちょっとあやしげな雰囲気。
 

週末の夜でバーは混んでいて、うろちょろするスペースさえないので、空いたスペースを見つけて収まるとすぐに、そばにいた女の子との会話がはじまる。
 

カップルで来ていたり、一人で来てナンパしてたり、友だち同士でなんとなく来てみたり(私たちだ)。そういえば、男性もいた。
 

レズバー
 

最初はちょっと緊張していたけれど、お酒のちからも借りて、自分なりに楽しんで過ごしていたときのこと。ちょっとボーイッシュな感じの女の子が声をかけてきた。
 

「女の子が好きなの?かわいいね?」
「私、多分ノンケなんですけど、レズ疑惑が自分の中にあって。」
 

なにそれ〜と笑って聞いてくれた彼女は、女の子が好きな女の子。同棲している彼女がいるけれど、今日は一人でレズバーにナンパしにきてるらしい。
 

話が盛り上がってる間に、一緒にきた友だちが見当たらない。きっと奥の方まで行っちゃったんだろう。
 

あーどうしようかな、と思ってたとき、彼女が耳元で
 

「ねえ、2人でどっか行こうよ」
 

え?これってなんかイイ感じのやつ?漫画やドラマだったら確実にキュンキュンするやつ?でも、でも…と思ってるうちに、彼女は私の手を引っ張ってぐんぐん歩きだす。
 

強引…。こんな女性もいるんだ。ちょっとカッコいいかも…。
 

ぼんやりしたまま着いたのは別のレズバー。ビールを飲みながら少し話しているうちに、彼女の身体がどんどんどんどん近づいてくる。
 

kissing
 

あれ?近いなーと思っていると、彼女が私に「顎クイ」して「かわいいね」って言って、そして彼女の顔がすぐに近づいてきて、キスされちゃった。
 

キス!女の子と!私!今!キスしてる!!やば!舌が入ってきそう!!それはさすがに…
 

ん?んん?待てよ?興奮…してない。ドキドキもしてない。あれ、おかしいなー?
 

と思いつつも、彼女からのキスを受け入れた私。隣で見ていた外人さんが「WOW〜♡」って言ってきて、私は「全然WOW〜♡ちゃうわ…」と冷静に今の出来事を受け止めていました。
 

うん、なんか分かった気がする。彼女にキスされても、私はときめかなかった。
 

もしも男性にまったく同じことをされたら、きっと立ってられないくらい興奮すると思う。ただしイケメンに限る。
 

私は男性だけが好きなのか。なんかちょっとがっかり。
 

かわいい女の子をゲットして、自分も彼女みたいにかわいくなりたいって頑張ったりして、幸せに暮らせたらそれはそれで楽しそうだったのに。
 

セクシャリティ
 

後で聞いた話だと、セクシャリティはグラデーションだと言われているらしい。そのグラデーションの濃淡の中で、淡い色のようなところに属しているひとも結構いる。だとすれば、自分がグラデーションのどこにいるか、試してみちゃダメなのだろうか。
 

自分がグラデーションのどこにいるのか分からない。それを日常生活の中で自覚したとき、確かめたいって思うことは、不自然でもなんでもなくて、逆に確かめないほうが不自然なのかもしれない。
 

私の場合、これまで男性に欲情する体験をずっとしてきて「男性が好き」って言っているだけ。女性とは性経験をしたことがないし、恋愛もしたことがない。でも、超タイプの女の子・渡辺美優紀ちゃんが今ここで裸で立ってたら、私は何をするかわからない。
 

生まれながらのセクシャリティって、自分で認識しているものはあるにせよ、なにげなく生きていたら確認する機会ってあまりない。
 

正直、何事も体験してみないと分かんないし、少なくとも、想像してみないと自分のセクシャリティって考えることはない。
 

性は尊いものだと思うけれど、37歳にして自分のセクシャリティを再確認することについておかしなことだとは思わない。
 

ということにしておきたい。そのほうが人生楽しいもん。
 

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