いくつになっても生きづらい。年代別のメンタルヘルス不調の傾向。

エジプトの象形文字を解読したら「最近の若い者は根性がなくてけしからん」という内容だったなんて話を聞いたことがあります。いつの時代も若い人は上の世代から根性がないと思われてしまうのでしょう。一方で、年配の世代には年配の世代の悩みがあるものです。
 

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メンタルヘルスの世界でも、年齢によって発症しやすいメンタルヘルス不調があると言われています。ここからは、現在私が鋭意勉強中の「メンタルヘルスマネジメント検定」のテキストから一部を抜粋しながらご紹介します。
 

20代前半(新入社員)
学校を卒業して初めて社会に出る時期で、環境が激変します。社会人としての規範を身に付け実行し、先輩・友人とは趣の異なる上司・同僚という新しい人間関係にうまく対処することも必要となります。このため適応障害などを生じがちです。

 

20代後半~30代前半
マネジメントの基本を学び、業務の量・質ともに負担が増大し始める時期。結婚など幸せなことはありますが、私生活でもストレスとなり得る要因が増える時期です。

 

30代後半(中間管理職)
業務の負担増と複雑な人間関係により、メンタル不調による病気休職が多くなる時期。また、転職できる最後のチャンスとなることが多いため、転職するかどうかの心情的な揺れも強いストレスの要因となり得る。

 

40代(中年期)
人生の折り返し地点を迎えます。子供も思春期を迎え、さまざまな問題が提起され、プライベート面でのストレスが立ち上がる時期です。また、体力の低下により心身への負担が大変高まる時期でもあります。

 

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50代(定年前後)
加齢の影響が生理的にはっきりと出始め、心身の無理がききにくくなります。この時期は夫婦関係の再構築に失敗すると「うつ病」や「精神疾患」のリスクが高まります。退職や熟年離婚など職や友人や配偶者を失う喪失体験に遭遇する機会が少なくなく、昨今では団塊の世代の自殺者増加の背景要因として報告されています。

 

(近年のライフスタイルの変化)
加えて、近年のライフサイクルの変化としては、終身雇用の崩壊や人生設計の不確定要素が増え、新入社員の組織への帰属意識も変化していると言われています。メンタルヘルス不調に陥らないためにも、各ライフステージごとの職域と家庭における特異的課題に対して、回避することなく、腰をすえて向き合うことが大切といえます。

 

結局どの年代になっても、メンタルヘルス不調の原因は潜んでいるし、悩みの種には事欠かないということなのでしょう。私自身も生まれてから今まで悩みの種が一つもなかったことなんかないわけで、おそらくこれからもそんなことはないと思います。
 

今回ご紹介した年代の別のメンタルヘルス不調は、いかにもステレオタイプ的な大卒サラリーマンを例にとっていて私の働き方とは異なるものの、それでも悩みの種類としては「そうだよなー」と思うことがいくつもあります。無駄に悩むより「他の奴らも結局悩んでるんだろうな」とか「こいつらに比べたら自分の方が全然悩んでないや、ラッキー」くらいに思っていた方が案外生きづらさは感じにくいのだと思います。
 

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この記事を書いた人

井上洋市朗

「なんか格好良さそうだし、給料もいいから」という理由でコンサルティング会社へ入社するも、リストラの手伝いをしてお金をもらうことに嫌気が差し2年足らずで退職。自分と同じように3年以内で辞める若者100人へ直接インタビューを行い、その結果を「早期離職白書」にまとめ発表。現在は株式会社カイラボ代表として組織・人事コンサルティングを行う傍ら、「生きづらい、働きづらい環境を変える方法」についての情報発信を行っている。