先日5月26日(火)に無料動画オンライン学習サイトschooにて、保健師の立場から心の疲れをとる技術についてお話させていただきました。予想以上にご好評をいただき、授業中にも多くのご質問をいただきましたので、そのレポートをお送りしたいと思います。
今回お話させていただいた内容は、働く社会人の皆さんが仕事のストレスをどのようにとらえ、どのように付き合っていくとよいかをより具体的にかつ、すぐに生活の中で実行できるようなストレス解消の方法をお伝えしました。今回の授業の流れは以下の通りです。
1.心の疲れとは何か?
2.仕事のストレスを放っておくと人はどうなるのか?
3.仕事のストレスから解放される方法
1.心の疲れとは何か?
まずは、なぜ現代人は心の不調や病気になる人が多いのかをお話しました。根本的な原因は、学校教育でストレスや心の病気、予防方法などを教えていないことにあります。何も知らずにいきなり社会人生活が始まってしまうと、今まで経験したことのない仕事上のストレスに耐えきれなくなり、上手に対処もできないまま、心の不調や病気を引き起こしやすくなってしまいます。
そうならないようにするためにも、心の疲れやストレス反応のメカニズムをまずは知ることが大切です。以前書いたコラム「ストレスを嫌なヤツにしているのはあなた自身。ストレスってないと死んじゃうの。」にて詳しい内容はお伝えしていますが、覚えておいていただきたいことはたったひとつ。それは「ストレスはよくも悪くもなく、あって当たり前のもの」ということです。自分がどのように捉えるかによって、心の疲れ度合を左右することをぜひ覚えておいてください。
2.仕事のストレスを放っておくと人はどうなるのか?
とはいえ、現代社会はストレスが多すぎます。このストレスを放っておくと人はどうなると思いますか?実は、まったく何の対処もしないままずっと放置しておくと、最悪の場合、人は死んでしまうと言われています。これは、自殺を選択するということではなく、人間が耐えられる限界のストレスレベルを超えることによって、生命維持システムが停止してしまうからです。
ここまでのレベルに到達する人はほぼゼロに等しいですが、生命原理からすると、私たちの体が実に精密に、繊細にできているかが分かります。その繊細な私たちの心と体を自分自身で守るためにも、最悪の事態になる前に早い段階で「ストレスに気づき、予防する」ということが一番大切です。
3.仕事のストレスから解放される方法
ストレスを予防するために必要な考え方が2つあります。1つは「ストレスをなるべく感じないような思考力を身に付ける」こと。もう1つは「ストレスが溜まったら、それを排出する術を持つ」こと。要するに、ストレスを感じる思考パターンを少し変えてみる努力と、ストレスを溜めないための解消法をいくつか持つことが重要だということです。
ここで注意が必要なのは、ストレス解消法は単に自分の好きなことをやればいいというわけではないということです。もちろん、それがストレスレベルの軽減に役立っているのであれば大丈夫です。しかし、いくらやってもストレスが緩和された気がしなかったり、今までストレス解消法を持っていなくて何をしたらいいのか分からなかったりする場合があります。そのようなときは、今の自分のストレスタイプに合った解消法を取り入れることが効果的です。
たとえば、肩こりや頭痛、腹痛など体調に変化が出やすい「体調不良タイプ」や、気分が落ち込みやすく仕事の効率も下がりやすい「ゆううつタイプ」、すぐにカッとなったり人やものにあたりやすくなったりする「イライラタイプ」というものがあります。これは、自覚症状やストレスチェックによって分かるのですが、それぞれのタイプによってより効果的な解消法が若干異なりますし、ストレス状況や時期によってもそのタイプは変化します。自分がどのタイプなのか、定期的にチェックをして自分のストレス状況を知るということから始めてみましょう。
schooの授業中、「大企業とベンチャーではストレスの種類は何がちがうのか?」や「具体的な解消法を詳しく教えてほしい」などのご質問を予想以上に多くいただき、皆さんの関心の高さに驚きました。それと同時にやはり働く社会人の皆さんには、心の疲れやストレスについて知る機会をつくることが必要だと実感しました。
そこで、働く社会人の皆さん向けにストレスについて知っていただくために、6月17日(水)19時30分より、「心の疲れをとる技術セミナー ~仕事のストレスから解放される17の方法~」をテーマにしたイベントを開催します。schooの短い時間だけでは話せなかったこともお伝えできると思いますので、ご興味がある方やお時間ある方はぜひ。