自然とふれ合う旅って、本当に心と体に影響があるの?

皆さん、こんにちは。人と自然をつなぐナース、杉本九実です。
 

私が取り組んでいるPONOプロジェクトは、「ストレスやこころの病気を、自然の中で体を動かし、人とふれ合いながら楽しく予防しよう!」をコンセプトに、専門的な予防スキルを持つ看護の力と自然の力を活用したメンタルヘルスツアーやイベントを旅行会社や地域と連携して企画・運営しています。
 

2013年の春と夏にモニターツアーを開催しました。ツアーに参加された方々の心と体が、旅の前後でどのように変化したのか、心理学的テストやアンケート結果をもとにご紹介したいと思います。自然とふれ合う旅は、心と体にどんな影響があるのでしょうか?
 

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春のツアーは静岡県熱海市にある初島へ1泊2日、総勢11名で旅に出かけました。初島は歩いて一周できるほどの小さな島で、スキューバダイビングでも有名な場所です。ここでは、簡単なスポーツや芝生の上でのヨガ、島内一周などの自然の中で行うアクティビティをしつつゆったりと過ごしました。
 

このツアーでは、心理学や医療の世界で使用されるPOMS(気分プロフィール検査)という尺度を用いて、ツアーの前後で精神的にどのような変化があったのかを調べました。POMSは「不安だ、疲れた、積極的な気分だ」などの気分状態を表す質問項目に対して5段階で自己評価し、その人のおかれた環境や条件の下で変化する一時的な気分・感情を測定できます。ツアーの前後で測定した結果、「気分がはりつめる、孤独でさびしい、だるい」といった項目で統計的に差がみられ、抑うつ気分、緊張、不安、疲労の低減が認められました。
 

「自然に触れて、島に触れて、みんなと楽しく過ごしたことはとても癒されました。」(30代男性)
「日常を離れることで、考えを落ち着いてまとめられる。」(20代女性)
「気分が向上した。心身共に、緊張から解放された。」(40代男性)
「心と体を自然と一体化することで、普段とはちがう環境に身を置くことの大切さを感じました。」(30代男性)
といった意見をいただきました。
 

夏のツアーでは、東京都御蔵島で5名の参加者とともに2泊3日を過ごしました。御蔵島は世界でも有数の野生のイルカと一緒に泳ぐことができる場所として有名です。このツアーでは、ドルフィンスイムや山歩き、森ウォーキング、島内散歩などのアクティビティをしつつ、お昼寝の時間や満天の星空を見上げながらの座談会、島の人たちとの交流など、ゆったり癒される時間をプログラムに組み込みました。これは、活動と休息のバランスを保つことで心と体のバランスを整え、人間本来の健康的な生活を送る感覚を取り戻してもらえるような工夫が施されています。
 

 

参加者からのアンケート結果では、長年にわたりパニック障害で睡眠薬がないと眠ることができなかった方が、5年ぶりに睡眠薬なしで眠れたという声、慢性的な肩こり症の方がツアー参加中やその後数日は肩こりを感じることがなかったという声などが挙がり、身体面への効果も実感することができました。
 

「ツアーに参加していろいろなところが変化するきっかけになった気がします。いわゆるターニングポイントです。身体面・精神面でヒーリングできて今後の事もポジティブに考えられるようになりました。」(30代男性)
「ツアー中はネットからも離れ、時計を見る回数も減りました。そのおかげか、いつもより時間がゆっくり流れている様に感じ、毎日自分がどれだけせかせかと動いているかがよく分かりました。」(20代女性)
というような嬉しい感想を頂きました。
 

2回のツアーで、自然とふれ合いながら、一緒に旅した仲間たちと楽しく、そして癒される時間を共有することで、心と体に大きな変化がみられることが分かりました。前回の記事でもご紹介しましたが、自然の力には科学的にも自律神経機能を正常化して、心と体のバランスを保つ働きがあります。ツアー1回限りではなく、自然とふれ合う機会を定期的にもって気分転換をすることが心と体のバランスを保つことにつながります。さらには楽しみながら、癒されながらの気分転換が習慣化することで、自然とストレスや心の病気を予防することにつながるのではないでしょうか。
 

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