24時間365日。終わることのない激痛と闘う患者の叫び。

目が覚めたらジムに行くかな。ほんと痛いの飽きたー
痛みが軽減するのは熟睡中ときつい筋トレ中だけ。
ランドセンと出会うまでは数年間熟睡出来なかった。
髪も生えたし、今のがよいかな。
ただ、ちょっと、いろいろサボりたい。。。
 

これは昨日の私のつぶやき。脳脊髄液減少症による絶え間ない激痛によって、日常生活を不自由なく営むことは出来なくなりました。あまりの激痛から逃げ出したいがために、生きることに限界を感じ道を踏み外しそうになったり。外では常に痛みを堪え平静を装っているため、帰宅すると無気力になり、それが原因で家族とうまくいかなくなることも多々あったり。どうしても仕事に集中できず納期に遅れてしまったり。好きな音楽を作っているときですら痛みでイライラしています。というより目が覚めている時は、常にイライラし、それを抑え込んでいるので疲れます。イライラが蓄積すると、自暴自棄へと進んでしまうので、ここでまた抑え込む努力をします。原稿を書いている今も頸が痛くて嫌になります。この痛みさえなければと思うことが数知れず。
 

脳脊髄液減少症とは、何らかの要因により脳脊髄液が脊髄から漏れ出す病気です。物理的に穴が開くので、個人的には病気というよりも怪我に近いイメージです。現在は、交通事故による、むち打ち症に起因する外傷性の有無が学会で盛んに議論されています。私の場合は、原因不明の突発性だと考えています。治療していた10年弱前には、病気の存在自体を医学界で議論していたため、外傷性・突発性はもとより、病気の存在そのものも今以上に知らていませんでした。この病気によって引き起こされる症状は、十人十色ですが、wikipediaを見ると次の通りです。

 

頚部痛、全身倦怠、起立性頭痛、背部痛、視力障害、視力低下、視野異常、羞明、視覚異常、めまい、吐き気、聴力障害、顎関節症、頭重感、坐骨神経痛、上肢痛、顔面痛、筋肉痛、腰痛、肩甲骨間痛、脳神経症状、聴神経、耳鳴り、聴力低下、聴力過敏、耳閉感、三叉神経、顔面違和感 (顔面しびれ・顔面神経麻痺)、開口障害 (顎関節症)、迷走神経、自律神経障害 (動悸・発汗異常・体温調節障害・腸管運動障害等)、目のぼやけ、眼振、動眼神経麻痺(瞳孔散大)、眼瞼下垂、複視、光過敏、外転神経麻痺、味覚障害、嗅覚障害、咽喉違和感、発声障害、嚥下障害、高次脳機能障害、集中力低下、思考力低下、記憶力低下、鬱、睡眠障害、内分泌障害、月経異常、インポテンツ、乳汁分泌等、免疫異常、易感染症、アレルギー、易疲労感、食欲低下、電磁波過敏症、意識障害、無欲、小脳失調、歩行障害、パーキンソン症候群、認知症、上肢のしびれ、神経根症、直腸膀胱障害、頚部硬直、慢性脱水症状、痩せ

 

このように何でもありです。外見上は分からず、多くが自らの申告による症状であるため、周囲からの理解が得られにくいのが特徴ともいえます。
 

私の場合は、主に頸と腰の痛みと痛みによる一時的な記憶の喪失。疼痛に効く薬に出会うまでは光を眩しく感じ、時間の感覚がおかしくなったりもしていました。17時待ち合わせなのに、17時に家を出てハッとするといったことが続きました。記憶の喪失もままありました。
 

イメージ的には、頭蓋骨~脊髄内で骨髄液に浮いた状態の脳脊髄が、骨髄液の減少により沈む感じです。そのために起立状態よりも臥床状態の方が症状が楽になるという方が多いです。私の場合は、痛みが主症状ですが、脳~神経に影響を及ぼすため、上記のような様々な症状を呈します。
 

また、際限のない痛みが続くと、まずは気力が奪われ、次第に体力も奪われ、意識も朦朧としてきます。ただ痛いだけではなく、ジワジワと身も心も文字通り擦り減っていきます。良くも悪くも慣れてしまった、諦めて受け入れた私ですが、過去には痛みと痛みにより仕事が思うように進まず、七割ぐらいハゲてしまうほどの状態でした。同病者の中には、自ら死を選ばれる方もいますが、仕方のないことだなと思います。
 

写真はハゲ進行中期段階
写真はハゲ進行中期段階

 

痛みというものは本人が痛いという症状的な辛さはもちろんですが、周囲の誰にも伝わらない、これを読んでいる皆さんにもまったく理解してもらえない(病気のことを知って頂けるだけで十分なのですが)ということが一番の辛さかもしれません。
 

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珍しくここ数日腰も痛い、絶え間なくただただ痛い。いつもと違う痛みも加わり、負荷分散で気分転換かな。バランスボールに乗りながら事務作業継続。
 

目に見えない痛みを抱えながら人と関わるのが辛い時が間々ある。「調子どう?体調よさそうだね、元気になった?」家族、友人、仕事関係各々気に掛けてくれるのはとてもありがたい。改善しなくても大丈夫です~としか言えない。それでも気に掛けてくれるからやっていけるのかな
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数日前の自分のつぶやきもツイートもほとんどが痛み関係です。つぶやいていないとやっていられないくらい。つぶやくというより、吐き出すほうが正確かもしれません。
 

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痛みがはげしい夜、光も音も敵になる。孤独感が激しいのに、1人にして欲しくなる。衰弱が激しくて、起き上がれない、水を飲んでトイレにいく。とっくに自分は死んでいるのではないかと、泣きたくなる。 誰にも、何もしてあげられない自分。
 

今日、少しだけ穏やかな気持ちでいる。遺書を書くチャンスだと思った。正直、家族が応援してくれていても、精神はボロボロでどうなるか分からない。だから最悪の最悪の結末を少しだけマシにするためにきちんと書いておきたい。
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痛みがひどくなればなるほど、孤独感や絶望感に苛まれてきます。同じ病気で苦しむ方のつぶやきをtwitter上で拾うと、死を意識しているもの、家族や友人への謝罪や懺悔、苦しい心の内が伝わってきます。
 

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はぁ…楽器店めぐりしたいなぁ。御茶ノ水はちょっと遠いから池袋あたりで。渋谷のほうがいいかな。タイミングがよければ乗り換え無しで行けるし。しかし、マジで倒れるから自粛……。
 

きょう通院移動中に、2回立ちくらみというか、目眩というか、なんだろう とにかく意識を失いそうになった。謎の発作。ヤバい予感。親切な人の「大丈夫ですか?」の連呼は聞こえていたけど、ということは、かなりやばそうに見えたんだろうと思われ……。自分は意識喪失なギリギリでわからんかったけど
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私と同じ病気を抱え、私と似た境遇の方のツイート。痛みが増してくると外出すら出来なくなります。動悸や目眩、気を失うこともしばしばです。
 

同病者の中には病院に行かなくてはいけないものの、自分1人では移動することもままならなく、家族に付き添ってもらう方もいます。「家族の時間を奪う=自分の存在が邪魔なのではないか」という感覚に悩まされる方も見受けられます。痛みとその痛みがもたらす体の変調以上に、人間関係から引き起こされる悩みが自分を責めることに繋がっていきます。
 

私はたまたま脳脊髄液減少症という病気ですが、病気や事故によって治療やリハビリを続けている人はたくさんいます。一人ひとりが痛みや薬の副作用、今まで出来ていたことが出来ない葛藤など、様々なものを抱えています。その一つ一つを考えてほしいとは言いません。ただ、皆さんの身近にも、そんな人がいる、そして周囲には誰にも言えず一人で抱え込んでいる人がいるかもしれないということを知ってもらえれば幸いです。
 

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この記事を書いた人

重光喬之

10年来、脳脊髄液減少症と向き合い、日本一元気な脳脊髄液減少症者として生きていこうと全力疾走をしてきたが、ここ最近の疼痛の悪化で二番手でもいいかなと思い始める。言葉と写真で、私のテーマを社会へ発信したいと思った矢先、plus-handicapのライターへ潜り込むことに成功。記事は、当事者目線での脳脊髄液減少症と、社会起業の対象である知的・発達障害児の育成現場での相互の学び(両育)、可能性や課題について取り上げる。趣味は、写真と蕎麦打ち。クラブミュージックをこよなく愛す。