ここが変だよ、障害者雇用

私、障害者採用を支援する会社で6年間働き、その後、現在まで障害者雇用の分野で仕事をしております。

 

今日は、障害者雇用の変なところについてお話したいと思います。

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ちょっと考えてほしいのですが、人材を採用する時ってどういう時だと思いますか?








そうですね、人が足りないとき、より売上を上げたい時に人は採用されます。

 

しかし、このデータをご覧ください。「障害者を採用する経緯」です。

平成22年3月 東京都産業労働局平成21年度「障害者雇用実態調査」(資料11)採用経緯-調査票Ⅲ(従業員50~299人)・Ⅳ(従業員300人以上)http://202.51.52.145/koyo/shogai/enquete.pdf
平成22年3月 東京都産業労働局平成21年度「障害者雇用実態調査」(資料11)採用経緯-調査票Ⅲ(従業員50~299人)・Ⅳ(従業員300人以上)
http://202.51.52.145/koyo/shogai/enquete.pdf

 

このように障害者雇用は、採用のきっかけ・理由は、社会的責任や法令を遵守するためです。そのため、能力・スキル面を第一として、障害者を採用するわけではありません。

 

それでは、一方で、障害者の退職理由はなんなのでしょうか?こちらをご覧ください。

「障害者活躍白書2013」集計中データより
「障害者活躍白書2013」集計中データより
※「障害者活躍白書2013」とは、よりよく生きるプロジェクトが発行予定の働く障害者の意識・状況を分析したアンケート調査です。まだ今年度分のアンケートを募集しておりますので、ぜひご協力をお願いいたします。

 

このように障害者側は、会社都合、人間関係や労働環境が問題で職場を辞めることが多く、キャリアアップや自己実現といったポジティブな理由での退職は、ほとんどないのです。

 

法定雇用率を遵守し、企業の社会的責任を果たしたい企業側。自分自身の未来を描かけずに仕事に多くを望まない障害者。ミスマッチの発生、不安感の増大、退職といった問題が上がるのは当然です。

 

ですから、全ての障害者雇用が・・・とは言いませんが、障害者雇用において、「働きがい」や「生きがい」などを障害者雇用に求めることは、現状で言うととても難しいと言わざるを得ません。この点を解消すべく現在事業を展開しておりますが、それは追々お伝えしていきます。

 

今日はここまで!

 

それでは〜。

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この記事を書いた人

矢辺卓哉

双子の妹に知的障害があったことが「生きづらいいね!」の始まり。彼女たちを恥ずかしいと思った自分の心を恥ずかしいと思い、大学3年時、障害のある人に関わる仕事を生涯の仕事にすると決める。障害者採用支援の会社で6年間働き、株式会社よりよく生きるプロジェクトを設立。現在は、障害のある人やニート・フリーター、職歴の多い人、企業で働きたくない人などに特化した支援を行っている。また、障害者雇用を行う企業へ退職防止、障害者が活躍できる組織づくりのコンサルティングを行う。「人生を味わいつくせる人を増やす」ことが一生のテーマ。