障害者をマネジメントするということ -その2

 
皆さん、ごきげんよう。矢辺です。
 

前回は、私の妹たちから学んだことをお伝えしました。今回は前職でのマネジメント経験と障害のある人をマネジメントするためのポイントの相関関係について書いてみたいと思います。
 

前回、夏のことを書きましたが、その前に来るのは梅雨ですね。

前回、夏のことを書きましたが、その前に来るのは梅雨ですね。


 

私は前職のマネジメントの現場でこんなことを経験しました。私の部下に(直接言える関係だから書きますが)、うだつの上がらない同年齢の男性社員がいました。彼は、結婚していて、専業主婦の奥さんと子どもがいました。彼は、転職してきたこともあり、すぐに成果を求められましたが、その期待に応えられず、他のチームを転々とした後、私のチームに配属になりました。結論から先に伝えると、彼は今はイキイキと働いています。当の私と言えば、会社都合で退職するという何とも言えない結果になったのですが・・・笑
 

それはさておき、彼が私のチームに配属になった時、私は前のチームリーダーと同じように、「転職をしてきて、妻子もいるし、私と同い年だし、この程度はやってくれるだろう、やるだろう」と考えることができました。そして、その程度の結果を求めることもできたはずです。
 

しかし、私は妹が成長する姿を見た経験からか、そうは考えませんでした。「彼は私と同い年であり、妻子もいる立場だが、彼に必要な支援は何だろうか」と。
 

彼と信頼関係を築いていく中で、営業活動、特に売り込むということに恐怖を持っていたことがわかりました。私は彼にこう言いました。
 

「自社のサービス説明はしなくていい。お客さんの困っていることを聞いてきて。お客さんとコミュニケーションを取ることを意識しなさい。そうすれば、必ず売れるようになる」
 

彼の仕事中の表情がイキイキとするようになったのは、この頃からでしょうか。結果はお伝えした通りで、売れるようになり、望む配属先に異動になりました。彼に必要だったのは、「○○だから」という視点で彼を見て、「○○だから」という基準に彼を引き上げることではなく、彼に今必要な支援をすることだったのです。
 

こと、我々は、「○○だから」という視点で相手を見がちです。その視点は、効率から考えると有効に働くこともあるでしょう。しかし、私の経験と人を輝かせるという視点から見ると、それが足かせとなることは多いです。
 

雨嫌いなんですけど、雨に濡れたあじさいはキレイですよね。

雨嫌いなんですけど、雨に濡れたあじさいはキレイですよね。


 

これは、障害者をマネジメントする上でも同じです。障害者をマネジメントする時に大事なことは、自分の「○○だから」、自分の「当たり前」という色メガネを外し、相手の基準を知ることです。
 

言うなれば、判断基準を自分から相手に移し替えることです。
 

健常者・障害者に関わらず、相手が本心で何を考えているか理解することが、マネジメントをする上で重要だと考えています。それさえわかってしまえば、信頼関係が生まれ、こちらの考えを理解してくれるようになるからです。
 

多くのマネジメントがうまくいかない例をみていると、相手の判断基準を理解しようとせず、判断基準が自分のみであり、「○○だから」「当たり前」という無意識の考え方に捉われ、それを押し付けているのです。
 

障害者をマネジメントすることの意義はここにあります。障害者は「当たり前」という基準が健常者と大きく異なることが多いです。だから、マネジメントすることが難しい。
 

しかし、一度この判断基準を自分から相手に移し替えることを経験し、障害のある人でも活躍できるようなマネジメントができれば、その1でもお伝えしたように、健常者のマネジメントが簡単になるのです。
 

もし障害者を受入れたくない、活躍させられないという上司がいれば、それは怖いのです。判断基準を自分から相手に差し替えなければならないことが。それは、今までの「当たり前」を捨て、相手を受入れると言うことですから。
 

多くの組織が障害のある人を受入れ、活躍できるようになれば、健常者もイキイキと働けるようになる。これが、障害者雇用の意義であり、多くの組織が障害者を受入れなければならない理由だと考えています。
 

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