最寄りの駅を降り、この道をまっすぐ行けば、もうすぐ我が家。
ホッとしたのも束の間、後ろから来た車にはねられたあなたの左足は
もう2度と使い物にならなくなってしまった。
足は見る影もなく、「切断」という処置がとられてしまった。
そう、あなたは障害者になったのです。
そして義足を使う立場となったのです。
これは果たして人ごとでしょうか?
みなさんもこうなる可能性はゼロではありません。
義足を使う羽目になったときの皆さんのプロセスをご紹介します。
※今回は義足を取り上げます。義手や装具はまた違うプロセスの場合アリ。
そもそも義足というのはオーダーメイドです。
一人一人の切断した足、不完全な足に合わせて作られます。
ちなみにささきの義足は大体40万くらい。中古の軽自動車より軽く高いです。
一応、保険で9割は返ってくることが多いですが。
東京23区の場合、各区によって対応が違うらしいのですが
今回は義足の正しい作り方をご紹介します。
といってもだいたいどこも同じです。
そもそも、義足というのは義肢・装具屋さんという場所で作られます。
そして、義肢装具士という有資格者が作ります。
そっか、まずはそこへ行けば・・・と思いがちですが
最初にそこへ行っても大抵は門前払いを食らいます。
「マスターカードはお持ちですか?」
そう、この一言で。
ふむ、マスターカードとは何ぞや。
「まず区役所に行かれてですね、義足判定を受ける手続きをとってください。
義足判定を受けてマスターカードを持ってまた来てください。」
「マスターカードって何ですか?」
「義足や装具の詳細が書かれているもので、それがないとこちらでは
義足や装具といったものは作れないんですよ。」
不思議ですね。たとえ有資格者で義足等を作ることが仕事でも
お上からの指示がなければ動けないのです。
「本当に申し訳ないのですが、義足の判定を受けてきてください。」
義足や装具は手続きなしでは作れません。
例えば足の切断直後、リハビリもままならず、大変な状況にあっても、
区役所へ行く・義足判定を受けることは求められます。
オペ直後の場合は、医者の診断書を用いればスムーズに進められますが、
2回目以降はすべて自力で行わなければなりません。
役所へは代理の方が行ってもいいですが、
当人の障害状況・使用する義足の種類等を窓口で滞りなく返答できなければ、
1時間程度時間がかかるうえに、最悪出直しです。
ちなみにささきは、この役所でのやりとりで初めて
自分の義足が「果義足」という形式だと知りました。
義足・装具屋での失敗を経て、役所に行った後、ようやく義足判定です。
今日が水曜日だから、判定は金曜日に受けたいなあ。
そう思っていたささきに告げられたのは20日後の予約でした。
ちなみに義足の場合はたとえ修理だとしても義足判定を受けなくてはなりません。
新しく作り替えるときだけじゃないんです。
つまり、義足が壊れて、もう歩けないよ僕という状態であっても、
とりあえず役所経由で義足判定の予約をとり、近い日程が空いているのは
運に左右されるという状況の中、待機という選択一択という状況なのです。
歩けないとか生活できないとかそういう観点で物事を見てはいない。
個人的には税金で義足は安く手に入れられるんだから我慢してください。
そう言われているような気分でした。
役所→東陽町、判定→高田馬場徒歩15分。まあ、東西線なら一本か。
いろいろあった義足の判定は明日お届けします。