15分の1の存在

どうやら15人に1人いるらしいです。障害者って。
これは果たして多いのでしょうか。少ないのでしょうか。

 

毎年、障害者白書という、奇特な調査資料が発行されています。

 

平成24年版障害者白書表紙

 

ちなみに前文はこちらです。
障害と障がいが混在しているあたりが、政策としての迷いを表しています。
「害」だろうが「がい」だろうがどっちでもいいと思いますけど。余談。

 

“身体障害、知的障害、精神障害の3区分で障害者数の概数を見ると、
身体障害者366万3千人、知的障害者54万7千人、
精神障害者323万3千人となっている。
これを人口1000人当たりの人数で見ると、
身体障害者29人、知的障害者は4人、精神障害者は25人となる。
複数の障害を併せ持つ者もいるため、単純な合計数にはならないが
およそ国民の6%が何らかの障害を有していることになる。”

 

と障害者白書には書かれております。
人口の6%。つまり、ざっくり15人に1人は障害者だということです。
障害認定を受けられるが、障害者として認定されたくないという方も
一定数いますので、純粋な人数としてはもっと多いと考えられています。
(鬱だけど認定されると採用上問題あるから・・・という人もいますよね)

 

ちなみに、一説によると、障害者手帳発行数では異なる数字も出ています。

 

私の好きな福岡ソフトバンクホークス。
本拠地である福岡ドームには(ネーミングライツは外しておきます)、
約38000人収容できます。ということは満員御礼の場合、
約2280人ほどいるはずです。果たしてそんなにいるのでしょうか。

 

また、私が通勤に使う総武線の車両も1両あたりの定員数はどうやら160名ほど。
とすれば10名近く乗っていておかしくないですが、実状はどうなんでしょう。

 

もちろん、障害者は自由に外出できる人もいれば、できない人もいます。
一概に確率論だけで計れないものですが、数字だけで言えば上記のとおり。

 

では、たった6%。外に出られない人を思えば、もっと少ないはず。
そんな人たちのために、どこまで手を尽くすことが望ましいのでしょうか。

 

障害者はまず自分自身の障害に悩み、苦しむことから始まります。
そして段々と自身の障害を受け容れ、自立への道を歩みます。
周囲からの支援も必要であるし、自分自身との戦いに打ち勝つことも必要。
本当に大変な思いをしています。
自分自身も先天性の障害者だから、気持ちはある程度わかります。

 

でも、私は、甘やかされすぎては、障害者は自立できない。
甘えることに慣れてしまってはダメなんだろう。そう思います。

 

行政も精一杯支援してくれているし、企業も受け入れる努力をしています。
バリアフリー、ユニバーサルデザイン。街も変わりました。

 

実は変わらなくてはいけないものは
私たち障害者自身なのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

佐々木 一成

1985年福岡市生まれ。生まれつき両足と右手に障害がある。障害者でありながら、健常者の世界でずっと生きてきた経験を生かし、「健常者の世界と障害者の世界を翻訳する」ことがミッション。過去は水泳でパラリンピックを目指し、今はシッティングバレーで目指している。障害者目線からの障害者雇用支援、障害者アスリート目線からの障害者スポーツ広報活動に力を入れるなど、当事者を意識した活動を行っている。2013年3月、Plus-handicapを立ち上げ、精力的に取材を行うなど、生きづらさの研究に余念がない。