親友と友達の違いって? わたしが親しさサークルづくりをすすめたい理由

ライターの仕事でお願いしたいことがあって、何気なくfacebookの友達一覧を眺めていました。
 

この人には頼めそう、この人には無理かな、この人誰だっけ?そんな感覚でスクロールしていたときに感じたのは「無意識で人をグループ分けしているかも」ということ。
 

たとえば、親友、友達、知り合い、この違いはどこにあるんだろう。
 

無意識で判断しているのって嫌だなと思って、いろいろググっていくと「親しさサークル」なるものを発見しました。
 

「親しさサークル」とは、精神医学の中で使われている人間関係を見える化するためのツールです。
 

親しさサークル
 

これが基本、”普通”と言われる親しさサークル。
 

まず、円の中心は自分。中心に近い位置にいる人ほど、自分の中での重要度が高い人で、中心から遠い位置にいる人は、自分の中での重要度が低い人です。
 

本には「自分から遠い位置にいる人との関係性は手を抜いてもいいけれど、重要な他者との関係性は逃げないことが大事」とありました。
 

「へー。面白い!」と興味が出てきたものの、ちょっと引っかかりました。この分け方がどうもしっくり来ません。納得がいかないので、自分なりの「親しさサークル」を作ってみました。
 

親しさサークル
 

イメージは、敵からの攻撃に備えている戦時中の城。物騒です。ちょっと解説をさせてください。
 

サークルには「城壁」と「トゲトゲ」があるのがポイントです。わたしの場合、弱みを見せても大丈夫な人たちと、そうでない人たちの差はかなり大きいです。初対面の人はどうしても警戒してしまいますが、一度心を許してしまえばグッと距離感が縮まるのです。
 

もう一つのポイントは、一番内側にある「立ち入り禁止ゾーン」の外側にあるトゲトゲです。たとえ、仲のよい人であっても、ここに土足で踏み込んでくるときはトゲトゲで攻撃します。合言葉は「攻撃は最大の防御なり」。なんか、みんな、色々ごめん…
 

「他の人はどうなんだろう?」と気になったので、何人かに作ってもらいました。
 

まずは、ジャンルの分け方が特徴的なサークル。
 

親しさサークル
 

「自分とどれだけ近いか」ではなく、「仕事」「昔の同級生」「趣味」などのジャンルで分けています。まるで、ダーツの的みたいな形です。ジャンル内で近い・遠いはあっても、そこまでハッキリと区別はしていません。
 

もう一つのポイントは、何重にも張られたバリア。
 

円の外側にはエヴァンゲリオンに出てくるATフィールドのようなものがあり、火の壁があり、氷の壁もあります。どんな人がこれを突破できるのか気になります…。私も他人のことは言えませんが、警戒心の強い人は守備を重視します。
 

自分以外のサークルは想像以上に違っていて「面白い!」。
 

「もっとちがうバリエーションもあるのかな?」と気になったので、全然ちがうタイプの人にも頼んでみました。社交的で人見知りしない人は、一体どんな形になるのか。
 

親しさサークル
 

わたしの城壁やさきほどのバリアの人と全然ちがいます。
 

まず、ゾーンとゾーンがはっきりと分かれていません。砂山のようになっていて、内側から外側へゆるやかに押し出される流れがあります。一度近づいたとしても、「気づいたら、遠くにいる」となるそうです。アリ地獄の逆バージョン。
 

もう一つの特徴は「あちこちに罠がある」ということ。よく見ると落とし穴や、底なし沼などがあり、一度、そこにハマった人は二度と戻って来られません。「誰でも入れるように見えて、実は…」ってタイプです。
 

バリアがない代わりに、逆アリ地獄と、罠があるおかげで中心部分の安全は守られています。なるほど、安全の守り方には色々な種類があるようです。
 

親しさサークル
 

親しさサークルは、自分の人間関係の見える化をしてくれます。たとえば、自分はどんなグループ分けをしているのか、苦手な人との心理的な距離をどうとるのかなどの、人との付き合い方のくせが出てきます。
 

自分のサークルを作るだけでなく、他の人と比べると新しい発見があります。
 

全然ちがうところに関しては「え、そんな発想をしているの?」と驚きます。共通点を見つけると「わぁ、めっちゃわかるー!」と親近感を抱いたりしました。今後、その人との付き合い方で気を付けるべきポイントもわかります。
 

みなさんも一度、親しさサークルを書いてみてはいかがですか?
 

参考:『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』水島広子 紀伊国屋書店

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この記事を書いた人

森本 しおり

1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。
幼い頃から周りになかなか溶け込めず、違和感を持ち続ける。何とか大学までは卒業できたものの、就職後1年でパニック障害を発症し、退職。障害福祉の仕事をしていた27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、少しずつ自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。
自身の経験から「道に迷う人に、選択肢を提示するような記事を書きたい」とライター業務を始める。