「24時間テレビ」対「バリバラ」という構図が見慣れてきた8月後半。少し前の時期ではありますが、このタイミングには「メディアは障害者をどう取り上げるべきか」という議題が少しだけ賑いをみせます。障害者が頑張っている姿を映すのか、自分の障害をネタにするのか。
障害者のお笑いといえば、2018年のM-1グランプリ優勝者の濱田祐太郎さんも目が見えない自身のことをネタにして笑いを取っていましたが、障害者やマイノリティなどに限らず、日常のコミュニケーションでも自分自身をネタにできる人は強いように思います。
例えば、ハゲをネタにして笑いをとっているおっさんとハゲって言ったら激怒するおっさんの2人がいたとして、どちらと仲良くしたいでしょうか。もちろん、他人がいきなり身体的特徴をネタにしてはいけません。本人がネタにするから許されるものです。
マイナス面をネタにできるのは、マイナス面の自分を受容できているから
マイナスに思える要素をネタにできるのは、本人がマイナスの要素も含めて受容できているからではないでしょうか。中には、ネタにすることで自身が少し傷ついているひとやまだ十分に受容できていないひともいるかもしれませんが、まったくネタにできないひとよりは一歩前進している状態だと言えます。
とはいえ、自分のマイナス面をネタにするのは勇気のいることでもあります。周囲から変な目で見られたらどうしよう、嫌われたらどうしようという不安がつきまとうものです。
自分のマイナスをネタにするためには、心理的に安心できる環境が重要です。勇気をもってマイナス面をカミングアウトしたら余計に嫌われてしまうのではないか?バカにされるのではないか?と不安に思ってしまう状況では自分のマイナス面をさらけだす勇気を出すのは難しいでしょう。
自分のとってのマイナス面は他者からはプラスの面かもしれない
自分ではマイナス面だと思っていることが、他者からするとたいしたマイナスではない、それどころかプラス面と思われていることもあります。天然パーマにコンプレックスを持っている人は少なくありませんが、敢えてパーマをかけるためにお金と時間をかけて美容室に通う人がいるのは典型的な例でしょう。他にも、一般的にはネガティブな意味合いの強い「ハゲ」「デブ」「ブサイク」「キモい」などの言葉も、お笑い芸人にとってはオイシイと思われるのも一つの事例と言えます。
時には、マイナス面を持っていること自体が他者からうらやましがられることさえあります。私は以前「普通すぎて生きづらい」という記事を書いたのですが、特に大きな苦労も挫折の経験もなく、そのために大きな壁を乗り越えたという経験すらないことがコンプレックスになっているひとも少なくありません。特に、私が相談を受ける就活生や転職希望者にはそういった方がたくさんいます。
マイナス面をネタにするための練習の場をつくってみました
プラス・ハンディキャップでは、生きづらさを少しでも減らすための手段の一つとして、自分のマイナスに見える要因を肯定的にとらえるためのイベントを開催しています。その名もプラリンピック。「プラス・ハンディキャップ+オリンピック」の造語です。
●プラリンピックで大切にしている3つの考え方
・わかりあえないことをわかる
・生きづらさを肯定的に捉えてみる
・失敗は最大の強み
この3つの考え方をもとに、自分の生きづらさを逆手にとってネタ化することに挑戦してみませんか。
◆◆◆こんな方におすすめ◆◆◆
・自分のマイナス面や弱みにばかり気にする方
・悩みごとや不安感を1人で抱え込みやすい方
・自分のことを誰かに話すことが苦手な方
・一度立ち止まって、自分自身を振り返ってみたい方
・自分に対する周囲からのポジティブな言葉を受け取りたい方
◆◆◆イベント概要◆◆◆
【日時】
10月20日(土)16時〜18時(開場15時45分)
【場所】
EDITORY神保町3階 シェアオフィススペース
東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル3階
【参加費】
1000円