部署異動が原因でうつ病になった僕が思う、異動直後にしておきたい(してほしい)職場の同僚とのやりとり

「うつ病ビギナー(初心者)に贈る言葉」というコラムを以前書かせて頂きました宮原と申します。
 

僕は、大学を卒業して、新卒で一般企業に入社しました。そして、2009年7月頃〜2011年1月頃のおよそ1年半の期間、うつ病になって、会社を休職しつつ床に伏していました。その企業には、復職することなく退職という運びになりました。
 

今回は、僕個人の体験をもとに「部署異動後にうつ病になった僕が思う、異動後にこうした言葉をかけてあげると、当人は多分嬉しい」ということについてお話させて頂きます。
 

今はネットサーフィンが仕事です。
今はネットサーフィンが仕事です

 

<僕がうつ病になった流れ>
 

まずは、僕自身がどういった流れでうつ病になったのか、簡単に経緯を説明させて頂きたいと思います。
 

①元々はコールセンター的な部署にいた
 

お客様の電話応対やそれに付随する事務業務が主な部署にいました。基本的には外部の人と顔を合わせてなにかをするということは滅多になく、自部署の人のみと毎日オフィスで過ごしていました。
 

②営業部門に異動した
 

上記①の部署とは立地的に遠く離れた勤務地の営業部門へと異動となりました。
 

③社内が組織改編でバタバタしていた
 

たまたまですが、異動してすぐ、社内(特に営業部門)の大きな組織改編が起こりました。それに伴って、複数ある営業部のグループが合体したり横断したりして、営業担当の変更などが起こったりして…一言でいうと、バタバタした雰囲気になりました。
 

④営業部門だから、社内にあんまり先輩いない&忙しそうで声をかけられない
 

その結果、部署内に同僚(上司・先輩・後輩)がいない時間が多く、また各々が自席にいる場合にも多忙な様子が見受けられ、何か分からないことを相談するのに躊躇してしまい、僕自身の仕事をうまく進められない状態になりました。
 

⑤職場にも馴染めず、ストレスを溜め込む
 

そのループから抜けることができず、また同僚と打ち解けていく感じもあまり無く、精神的な余裕を感じることが出来なくなった後、クリニックに通い、休職する流れとなりました。
 

20151017写真②
 

<こういうやり取りがもっと多ければ、少し気が楽になったのかも>
 

さて、続きまして、本題である「こんな会話・やり取りがあれば嬉しかったのかも」ということを書いていこうと思います。
 

【上司の方には】
 

●前の部署でどんなことやってたの?っていうエピソードを聞かれたら嬉しい。
 

僕の場合は異動という形だったので、例えば、以前の部署での業務内容であったり、その当時の上司の話、また特に付き合いのある関連部署や社員はどうだったか?といった話を聞いてもらえると嬉しいです。そして、話を通して「へぇ〜!そうだったんだ!知らなかったー!」とリアクションをもらえれば更に嬉しいかと思います。異動ではなく、もし転職してきた場合であれば、前職の話でもいいと思います。
 

【先輩の方には】
 

●今の部署での昔の苦労話と、その際に具体的にどんな行動をしたのかエピソードを話してもらえると嬉しい。
 

異動直後であれば、その部署での仕事内容は無知な部分が多く、話の内容の多くが新鮮だと思います。そして、その内容はその瞬間に抱えているピンポイントな悩みだけじゃなく、その後にも役立つ知識になる場合があるかと思います。このやり取りは、業務時間内だけでなく、ランチタイムや飲み会でもすることができるのではないでしょうか。
 

●しょうもないことでも褒める。さらにそれを他の同僚の前で言ってもらうと嬉しい。
 

異動直後は、業務の進め方について何が合ってるのか間違っているのか、確信が持てない場合が多いかと思います。なので、先輩からちょっとしたことでも(正しければ)褒めてもらうと、心が打ち解けるだけではなく、業務に対して少しずつ自信を積めることにも繋がると思います。
 

例えば、顧客先での営業に同行した際に、とても基本的なサービス説明をしただけでも、事務所に戻ったあとに「さっき◯◯に一緒に営業いってきたんだけど、コイツの説明良かったよ〜」といったやり取りがあるといいかと思います。
 

【後輩の方には】
 

●嫌味のない程度の適度な先輩風を吹かす
 

新しい部署の、社歴や年齢的には下かもしれませんが「その部署歴では先輩」という後輩には、いやらしくない程度に先輩風を吹かされるのも気が楽になるのに繋がるかと思います。異動直後から妙に先輩として扱われると、知識や経験で劣っていることから、変に意識してしまいストレスに繋がる場合もあったりするかと思うからです。
 

「上司」「先輩」「後輩」と分けましたが、要は雑談や交流、コミュニケーションになります。ただ、その切り口がイマイチわからない場合に、手段のひとつとして頭の隅に置いておいて頂ければ嬉しいです。
 

フリー素材でよく見かけるこの手の上司は、ちょっと苦手かもしれません。
フリー素材でよく見かけるこの手の上司は、ちょっと苦手かもしれません。

 

<最後に>
 

いま現在、企業にお勤めの方のなかには、
 

「こんなに気を遣わなきゃダメ?」
「いや、そんなお客様じゃないんだから」
「みんなそれぞれ大変だし忙しいんだから、求めすぎやろ!」
 

と思う方もいらっしゃるかもしれません。
 

そもそも僕がうつ病になった大きな原因のひとつは、ビジネススキルが低いことだと今でも思っています。例えば、当時は報・連・相すら円滑にできないレベルでした。そして(自覚していることでもあるのですが)その核となるのは「すごい人見知りである」という点でした。そんな僕みたいな人間には、同じ職場にいる方からのちょっとした声がけが、想像以上に嬉しいことであり、救われた気持ちになる場合もあったりするんだと思います。
 

心に余裕があるときに周りを見渡してみて、もし少し様子が変に感じた同僚がいれば何か声をかけてあげて頂ければ幸いだなと思います。
 

※働きづらさを考えるサイト「ONE STEP」で掲載した記事を加筆修正したものです。

記事をシェア

この記事を書いた人

宮原 直孝

1984年生まれ。大学卒業後に入社した一般企業で、あまりにも仕事ができなさ過ぎたこともあり、入社3年目にうつ病となる。その後、1年半の休職期間→退職を経験。うつ病から回復後、転職活動をするもうまくいかないことの現実逃避として何となく勢いで法人を設立。ボーっとしつつ、何となく適当にブログを書いたりTwitterをしているうちにplus-handicapにジョインしました。ジョインって言いたかっただけですが、よろしくお願いします。