8月31日に宿題をやる子は、社会に出てから伸びる?

みなさん、夏休みの宿題はいつやっていましたか?
 

最近は公立の小中学校でも2期生をとっている学校も多く、夏休みが7月20日~8月31日ではないケースも増えているようですが、9月1日が始業式だった私は、当然のように8月31日に宿題をやっていました。いや正確には1日で終わりそうなものは8月31日にやって、日記などある程度定期的につけないといけないものは週に一回くらいまとめて時間をとって仕上げていました。日記帳の天気欄?そんなものはなんとなくの記憶です。どうせ先生も見てないでしょう。
 

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学校の宿題期限が仕事の納期に置き換わった今でも、ギリギリにならないとやらない性格はなおっていません。いや、ギリギリになった方がどこからともなくパワーが湧いてきて結果的に効率的かつ高付加価値のものができるのではないかとさえ思うこともあります。精神的なやすらぎはありませんが。
 

私がこれまでPlus-handicap内で提唱してきた考え方である「社会人フィジカル」は夏休みの宿題を片付けるタイミングとも関係性があるのではないかと思っています。
 

学校の宿題は範囲と期日が事前に決まっていて、夏休みに入ってから増えるということはありません。しかし、実際の仕事では一つの仕事をこなしても、どこからともなく次の仕事が出てきます。結果的に、毎日仕事に追われて疲弊してしまっている人も少なくないでしょう。本来であればチーム内で業務負荷を平準化して、個人の許容量の範囲内に仕事量をおさめるのがベストなのですが、現実の仕事においてはそんなことも言っていられません。次から次に出てくる仕事を片付けて次に進まなければなりません。
 

このような状況で時間も体力も限られる中で、やり方を工夫して効率的に仕事を進めようというのは「スキルの向上」です。これはとても重要で、私自身、自分の仕事としてもタイムマネジメントやコミュニケーション、ロジカルシンキングなどの研修を担当しています。
 

一方、「社会人フィジカルの向上」は限られた資源のうち、体力の部分の許容量を増やすという考え方です。体力というのは身体が丈夫だというのも含みますが、ここでは集中力を持続できるか、瞬間的に集中力を高めて仕事に取り組めるかというニュアンスです。
 

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8月31日から宿題をやるのは、丸一日集中力を持続させ、しかも高い集中度の中で宿題に取り組む必要があります。これが相当にしんどいものであることは想像に難くありません。ほめられたものではないかもしれませんが、8月31日から宿題を始め、すべてやりきる力は社会人フィジカルに通じるものがあるのです。
 

仕事に取り組むにあたってはスキルやチームワークは非常に重要ですし、それらを軽視するつもりはありません。けれども、初めからスキルやチームワークに頼りすぎてしまうと、既存のスキルが通用しない新たな問題や、自分一人で解決しなければならない問題に直面した時に対応しきれない可能性もあります。そんなときに必要になるのが社会人フィジカルです。
 

これからの社会は今まで以上に変化のスピードが速く、多様性が広くなっていくといわれています。そうなれば過去に通用したスキルの陳腐化のスピードも速まる可能性が高いでしょう。ですから、社会人フィジカルが重要なのです。これまでは様々なハンディキャップによって特定のスキルの習得が難しかった人であっても、社会人フィジカルを高めることによって活躍の可能性を広げることができるはずです。
 

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夏休み最後の8月31日に社会人フィジカルのワークショップを開催します。
詳細はコチラ。 → http://kokucheese.com/event/index/204184/

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この記事を書いた人

井上洋市朗

「なんか格好良さそうだし、給料もいいから」という理由でコンサルティング会社へ入社するも、リストラの手伝いをしてお金をもらうことに嫌気が差し2年足らずで退職。自分と同じように3年以内で辞める若者100人へ直接インタビューを行い、その結果を「早期離職白書」にまとめ発表。現在は株式会社カイラボ代表として組織・人事コンサルティングを行う傍ら、「生きづらい、働きづらい環境を変える方法」についての情報発信を行っている。