独断で選んだ2013年に登場・話題となった障害者便利アイテム5選

2013年に私がfacebook等で取り上げた障害者の便利アイテムを一挙にご紹介いたします。
 

私が障害者となった1991年当時、今でこそ使われている「ユニバーサルデザイン」という言葉や概念は、日本ではまだまだ浸透しておりませんでした。障害者用のアイテムの存在も皆無で、基本的には健常者が使っているものを障害者でも無理して何とか使うか、もしくは「あれは健常者用の物だからね。障害者は諦めるしかないよ。」という考え方が一般的でした。もちろん、私が障害者用のアイテムを知らなかっただけかもしれませんが、障害当事者が「知らなかった」ということも問題だと思います。
 

市場原理の観点からいうと、ターゲット(障害当事者)が自分にマッチした商品の存在を知らない、というのでは話になりません。ただ、私の知る限り20年ほど前の日本福祉はそんな状況でした。
 

現在では「ユニバーサルデザイン」の考え方も広まってきており、世の中全体に「障害者も楽しく社会参加できるようにするべきだ」という雰囲気が生まれ、それに即したアイテムも開発されてきています。インターネットで少し検索すれば、おもしろいものにどんどんヒットします。
 

ということで、厳選した障害者便利アイテムベスト5をご紹介いたします。

 

5位:ネクストタイド・エヴォリューション(ユニバーサルデザインファッションの通販サイト)

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「障がい者が使いやすい」という視点から、既成のデザインに対して工夫が施されているアイテムの紹介・販売を行っています(厳密に言うと2013年より以前に開発されたものだと思います)。
http://www.nextide.net/concept.html(コンセプト紹介)
http://www.nextide.net/shoes.html(シューズ紹介)
 

4位:dg glove

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イタリアで開発されている視覚障害者・聴覚障害者に向けて、手の指骨を介してスマートフォンの利用(文字打ち)ができるアイテムです。通常の点字を覚えるのよりも2倍くらいのスピード使いこなせるようになるとか。早く、実用化され日本でも導入してほしいですね。
http://wired.jp/2013/12/12/dbglobe/
 

3位:「OrCam」

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視覚障害者向けのアイテムが続きますが、次はイスラエルで開発されているメガネ型ウェアラブルデバイス「OrCam」になります。米国・グーグルが開発中のメガネ型ウェアラブルデバイス「グーグルグラス」が話題となっておりますが、イスラエルでそれの視覚障害者版と言えるものが開発されています。簡単に言うと、着用した人間(視覚障害者)の近くにある物体を指差すと、その部分を機械が読み取り、骨伝導で情報を伝えてくれるという仕組みになります。読み取り範囲がどこまで適用されるのかわかりませんが、そのうち「点字」という存在がなくなってくるかもしれませんね。
http://eedu.jp/blog/2013/09/14/orcam-google-glass-visually-impaired/
 

2位:「けん引式車いす補助装置 JINRIKI」

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車いすをリヤカーのようにけん引していくための補助装置です。車いすは、乗っている本人が車輪を回転させるか、付き添い者が後ろから押す、ことが一般的でした。私も車いす生活をしていることあったのでわかりますが、それだと坂道やあぜ道を行く時は相当難儀をします。しかし、押してダメなら引いてみよ!という発想で開発され、すでに販売も行われています。日本ならではの発想であり、日本発というのが嬉しいですね。
http://www.jinriki.asia/
 

1位:「Smart Sign Language Interpreter」

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手話を翻訳してスマホにテキストを送信することができるリストバンドだそうです。まだコンセプト段階のようですが、世界に3億6000万人いると言われる聴覚障害者との会話がスムーズにできるようになるアイテムとして注目ですね。
http://news.ameba.jp/20131216-242/
 

今回は、身体障害者向けのアイテムのご紹介ばかりでした。まだまだ開発段階のものが多い上に、ご自分の障害とは直接関係ない物の方が多いかもしれません。しかし、こうしたものが普及・認知されていけば、もっと広くいろんなものが登場してくると思います。
 

記事を読んでいただいてお分かりのように、障害者の世界もどんどん便利になってきています。障害の軽重はあると思いますが、その昔、五体不満足の乙武洋匡さんが言っていた「障害も目が悪いからメガネをかけるくらいの感覚だ」という世界が実現され始めています。そんな時、いつまでも「障害=不便」という考えに固執していたら、それこそダブルハンディキャッパーになってしまいます。
 

もちろん、決して障害は便利だと思いませんが、より良くなっていくための工夫はいくらでも出来ると思います。話は少しそれますが、私にアンプティサッカー(切断者サッカー)を教えてくれた日系ブラジル人のエンヒッキ選手は言っていました。「5歳の時に片足を切断したけど、みんな(健常者たち)と一緒にサッカーをしたいと思っていたら、アンプティサッカーと出会った。最初は、障害者たちとのサッカーを楽しみ、今では健常者ともサッカーが楽しめるようになっているよ。」
 

堀さんとエンヒッキ選手
 

障害者が楽しく暮らすために、社会の雰囲気は整い始めています。あとは、貴方の気持ちと行動次第です。

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この記事を書いた人

堀雄太

野球少年だった小学4年生の11月「骨腫瘍」と診断され、生きるために右足を切断する。幼少期の発熱の影響で左耳の聴力はゼロ。27歳の時には、脳出血を発症する。過去勤めていた会社は過酷な職場環境であり、また前職では障害が理由で仕事を干されたことがあるなど、数多くの「生きづらさ」を経験している。「自分自身=後天性障害者」の視点で、記事を書いていきたいと意気込む。