お腹痛い系男子の受難

「昼休み 個室にならぶ おとこたち」
 

昼食後の時間帯、商業ビルの男子トイレは混雑します。小の方ではありません。個室に並んでいるのです。食べてすぐにお腹が痛くなるはずがないと思われる方もいるかもしれません。しかし、そのタイミングでお腹が痛くなるのがまさに〝お腹痛い系男子”なのです。
 

onakaitai
 

いつもは早期離職者キャリアに関する記事ばかり書いていますが、今日はちょっと違うテイストでお腹痛い系男子についてお伝えします。きっとこの時期を読み終えた時には周囲には意外とお腹痛い系男子が多いことに気が付きますよ。
 

さて、お腹痛い系男子の正体はいくつかあります。IBSという病名で診断を勧めるCMも放送されていた過敏性腸症候群、日本のトップである安倍首相も患っている潰瘍性大腸炎、そして病名はついてなくてもただ単にお腹が弱いだけの人もいますし、ちびまる子ちゃんの山根くんみたいにいつでも胃が痛いと言っている人もいます。それぞれ症状は異なるのですが、共通しているのはお腹が痛いこと。だから私はこれらをまとめて〝お腹痛い系男子”と名付けました。
 

かく言う私自身が“お腹痛い系男子”です。小さい頃からしょっちゅうお腹を下していました。その影響もあってか、人並み以上に食べても一向に太りません。社会人になると多くの人が太り始めますが、私は逆に「痩せた?」と聞かれる始末。恐らく体質的に太りにくい人の多くはお腹痛い系男子ではないかと思っています。
 

さて、私がなぜこんなお腹痛い系男子を推しているかというと、日本には顕在的、潜在的なお腹痛い系男子がたくさんいると考えているからです。そして、彼らは当人ではないとわからない様々な悩みがあるのです。例えば、会議中に突然お腹が痛くなった、普段だったらちょっとトイレへと言って体質できるかもしれませんが、そんなときに限って上司が激怒しているタイミングなんてこともあります。また、13時からの打ち合わせは鬼門です。13時からの打ち合わせということは、高い確率で昼食後の打ち合わせです。しかも、急いで昼食を食べたあとだったりすると大変です。非常に高確率でお腹が痛くなります。そんなとき、退席するのはなかなか勇気のいる行動です。このようなときに「お腹痛い系男子」だと周囲が認識していれば「様子がおかしいな」と思い、声をかけてあげれば、お腹痛い系男子は救われます。
 

街中にも罠は潜んでいます。最近カフェやファミレスを中心に増えている、男女兼用個室と女子専用個室のトイレです。男子トイレと女子トイレがきっぱりと分かれているときは諦めがつきます。しかし、個室で男女兼用と女子専用を分けられるとお腹痛い系男子にとっては非常に分が悪いのです。男女兼用を嫌がる女性の方がいることは重々承知しています。しかし、お腹痛い系男子は高確率で緊急事態に陥るのです。そんなとき女子専用は空いているのに、男女兼用は使用中などという悲劇的な状況になったときの心境と言ったらもう。。。
 

また、お腹痛い系男子にとっての大敵は長時間移動です。それも、ローカル線での長時間移動は非常にリスクが高くなっています。
 

新幹線や長距離列車であれば多くの場合、電車内にトイレがついています。しかし、ローカル線、特に都内の列車はほぼ確実にトイレはついていません。例えば東京から八王子まで電車を乗れば1時間近くかかります。1時間以上もトイレのない密室状態に閉じ込められる。普通に考えれば1時間もトイレが我慢できないということはありません。いくらお腹痛い系男子でも、そんな頻繁にお腹が痛くなることは稀です。しかし、1時間以上もトイレがない環境に閉じ込めれるというプレッシャーによりお腹が痛くなるのです。補足すると、長時間列車に乗るのは多くの場合が朝です。私であれば、試合の遠征のために千葉や埼玉方面に向かうことが多くありました。普段よりもちょっと早めの時間に起きて朝食を食べて長時間列車に乗る。この状態だと高確率でお腹が痛くなります。しかし、集合時間というものもあります。本数が少ない電車の場合「ここで降りたら集合時間に間に合わない」という状態に陥ります。同様のことは飲み会のあとの終電でもよく起こるのです。これがお腹痛い系男子にとっての非常につらいところです。
 

このようにお腹痛い系男子はなかなか知られていない生きづらさを抱えています。しかし、お腹が痛くさえならなければいたって健康な男子であるため、その辛さはなかなか理解されません。そこでこの度、私はお腹痛い系男子の認知度向上を目的として「日本お腹痛い系男子協会」を立ち上げました。 法人格はありません。そうです、ただの任意団体です。とりあえずは一番手軽に立ち上げられるfacebookページをつくりましたので、是非ご覧ください。
 

お腹痛い系男子に救いの手を!!
 

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この記事を書いた人

井上洋市朗

「なんか格好良さそうだし、給料もいいから」という理由でコンサルティング会社へ入社するも、リストラの手伝いをしてお金をもらうことに嫌気が差し2年足らずで退職。自分と同じように3年以内で辞める若者100人へ直接インタビューを行い、その結果を「早期離職白書」にまとめ発表。現在は株式会社カイラボ代表として組織・人事コンサルティングを行う傍ら、「生きづらい、働きづらい環境を変える方法」についての情報発信を行っている。