なぜ障害者は退職してしまうのか。障害者と企業の間にある大きな溝とは?

皆さん、ごきげんよう。矢辺です。
 

今日は、「なぜ障害者は退職してしまうのか」というテーマです。
 

なぜ障害者は辞めてしまうのか。簡単に結論を言ってしまえば、障害者本人、企業の双方に大きな溝があるからです。
 
taishoku
 

障害者本人、企業の目線それぞれから解説します。
 

■障害者本人
障害のある人自身は、あまり意識していない人も多いかもしれませんが、企業からはこのような声を多く聞きます。これは、私が日々障害者雇用のコンサルをする中で聞く声です。
 

・障害を理由に仕事を断る
・成果を出す意識が低い
・仕事に対して甘えがある など
 

まとめて言ってしまえば、仕事に対してのコミットメントが弱いということです。
 

もちろん、すべての障害のある人がこうではありません。しかし、障害があることで、両親が子どもに対して、「障害があるからできる限りやってあげよう」というご家庭で育った障害のある人や福祉に守られて育ってきた人にはこういう人が多い傾向にあるのは、私も人事担当者の方も同意見です。
 

企業で働くとは、相手に価値を届けることです。その価値を届けるために、仕事があり、目標があるのです。そして、残念ながら企業はピラミッドです。上司の命令は絶対なのです。障害を理由にしたり、一生懸命仕事をしないのは、甘えていると言われても仕方がありません。
 

みんな仲良く働きたいですね

みんなで仲良く働きたいですね


 

もちろん「認めてくれない」「気遣ってくれない」など、色々言い分はあるとは思いますが、その言い分は健常者の世界では通用しません。健常者が働く際に、「認めてくれない」「気遣ってくれない」って言われたら、「甘えんな」の一言で終わりです。「認めてもらえない」の前に、「自分は何ができるのか?」にフォーカスして、働くことが大事なのです。そこから、周囲を巻き込むことが大事です。
 

もちろん障害の配慮は働く上での前提条件です。ですから、配慮があり、働ける土壌があるなら、まずは「自分に何ができるのか?」にフォーカスし、全力でそれを果たして行くことが大事なのです。残念ながら「認めてくれない」という言い分は、まだあなたが価値を出していない証拠です。
 

この「認めてくれない」という理由で退職する人が多いのです。最終的には自己責任ですから、退職するかどうかは、本人が決めれば良いことです。そして、若くて障害が軽ければ、次の就職先も見つかるでしょう。しかし、それは、「あなたを採用したい」のではなく、「あなたの障害者手帳がほしい」場合がほとんどです。
 

障害者差別解消法ができるそうですが、「差別がない」というのは、健常者と同じ土壌で勝負するということです。
 

あなたは「差別がない」社会で、給料以上の価値を発揮する準備ができていますか?
あなたは「差別がない」社会で、自分のキャリアで勝負することができますか?
 

■企業
障害のある人の問題について書きましたが、もちろん企業にも問題があります。
 

通常の採用であれば、経営戦略や売上アップ、仕事量の分配等のために人を雇用します。しかし、障害者雇用は、法律遵守のために障害者手帳の所持者を雇用します。
 

taishoku
 

そのため、入社後の配属部署では、「何のためにこの人は自分の部署に来たのか」と部署の人たちは思うでしょう。その理由は「法律だから採用しなきゃいけないんだ」と説明を受けます。
 

それは事実であり間違いではありませんが、ただでさえ「障害」はあまり身近ではないため、戸惑いを持ちがちです。にも関わらず、それだけの説明で、しっかりと育成、評価され、本当にそこで働く障害のある人がモチベーション高く働けるでしょうか。
 

それは、部署の人たちの善意に掛かってきます。配属された部署の人たちが「障害」に理解があり、障害があったとしてもみんなと同じように接しよう、同じ仲間だと思ってくれるという運によって障害者の働く満足度が大きく変わってくるのです。
 

そのため、「育成」「職場風土」「人間関係」を求めていても、満足度が低い結果になっているのです。それでは辞めてしまうのも当然です。
 

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以上のように、障害者雇用においては、障害のある人、企業側に問題があるのです。そのために障害者は退職してしまうのです。障害のある人も企業の双方の努力がなければ、障害者の退職問題は解決されないでしょう。

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