わかものは働かないのか?働けないのか?その先に理想の働き方がある

 
皆さま、ごきげんよう。矢辺です。
 

GWも終わりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 

私には、五月病は関係ありません。GWも普段と変わらず、仕事してましたからね。むしろ、アポイントがないので、はかどったくらいです。
 

そういう意味で、GWを満喫しました(笑)。
 

GWはいかが過ごされましたか?
GWはどう過ごされましたか?

 

さて、今日は、よく言われる「わかものが働けない・働かない問題」についてリアルをお伝えしましょう。
 

中高年以上の方がわかものの就労問題についてよく言うのは、

働かないわかものは、けしからん!
仕事を選ばなければ仕事はある!

ということです。
 

一方で、わかものの就労支援団体がよく言うのは、

わかものは働かないのではなく働けないのです。
新卒で入社できなければ中途採用になり即戦力を求められる。
しかし、わかものは即戦力になれる機会がない。

 
どちらが正しいのでしょうか?
私がわかもの支援をしている立場から言わせれば、どちらも正しいです。
 

どういうことか。これから説明します。
そして、その先に実は理想の働き方があるんじゃないかっていう話をします。
 

私が捉えているのは、わかものが2層いることです。
 

1つは、本当に働けない層です。
私が接した方々で箇条書きしてみると、以下の通りです。
 

・一生懸命働いても、派遣のような仕事から抜け出せない
・通常の勤務は難しいので、アルバイト等でなんとか食いつないでいる
・何かしらの障害を抱えている、もしくはその可能性があり、通常の勤務がむずかしい
・過去にいじめなどにより、自分に自信がないなどの強い対人不安がある
 

彼らは失業し、公的な支援である失業保険が切れるか、実家を含めた他人からの支援がなければ、一気に生活保護になる層です。
 

そのため、私が出会ったこの層で地方から出てきている大学生は、就職できず実家に帰っていました。その後、何もできていないのが気がかりなのですが。
 

そして、2つ目は、本当に働かない層です。
私が接した方々で箇条書きしてみると、下記の通りです。
 

・ブラック企業で働きたくない
・企業みたいなのがいや
・働けば負けだ
・やりたいことをやらなければ仕事ではない
・1日の多くの時間を過ごす職場だからこそ充実した時間にしたい
・我慢して多くのお金をもらうのではなく、楽しく働いて生活できるだけのお金でいい
 

少しでも働いたことがある人であれば、これを読んで苦笑する人もいるかも知れません。働くってそういうことじゃないよ、と。
 

しかし、全うな考え方だと私は思います。なるべくであれば、職場を楽しい時間にしたいと思うことは当然のことです。
 

苦笑した方と違うのは、前提条件が違うと感じています。
 

・働くことをベースにして自分の人生を考えるのか

・自分の人生の充実を考え、仕事の位置づけを考えるのか

この違いでしょう。
 

だから、彼らは働かないというよりも、自分が納得した選択を取りたいだけなのです。本人たちからすれば、「働かないんじゃない。働きたいと思う場がない」と言うでしょう。
 

彼らは、豊かなのです。今まで生きる上で困ったことがないのです。これは私も含めてですが、本当の貧しさと出会ったことがないのです。買うことに困ったことがないのです。今ある生活が当然あるものだと考えているのです。だから働く必要性がないのです。
 

一方で、この層は、親が定年退職が近付いたり何かしらの理由で誰かが養ってくれなくなれば、自分と折り合いを付けて、妥協点を見つけて働き出すことがほとんどです。それは働く必要性が出てきたからです。そこから、働くことをベースにして自分の人生を考えるようになるのです。
 

なお、大学から地方から出てくる大学生は、この層でも自分と折り合いを付けて、大学卒業すれば働き出すことがほとんどです。現実的に卒業後、金銭的なサポートをしてくれる人がいませんし、お金が現実的に必要になることが目にみえているので、早い段階から就職について考える人が多いためです。場合によっては、親に頼み込んで5年生やる人もいますが。
 

このように、この2つの層を一緒にして、「近頃のわかものは!」という発言は残念ながら間違っていると言わざるを得ませんし、「わかものは即戦力になれる機会がない」と言うのも間違いと言わざるを得ません。
 

どちらの層に対して発言をしているのか、しっかりと立場を明確にしてから伝えなければ、伝わらないのがわかものの就職問題なのです。
 

夏はこういうところで遊びたいですね〜
夏はこういうところで遊びたいですね〜

 

ちなみに、ここまで書くと、2つ目の「本当に働かない層」の悪口を書いたように思われるかも知れませんが、私は至極まっとうな考え方だと思っていますし、お金に問題がないのであれば、ぜひ自分の納得する選択肢を見つけてほしいと考えています。

それは、わかものと大人の間には今日も冷たい風が吹くにも書きました。
 

私は、このわかものの考え方をとても肯定的に捉えています。というのは、おっさんよりもわかものの方が長生きする可能性が高いからこそ彼らが望むような社会になった方がいいから。次に、とても豊かな考え方だなぁと思うんです。そこそこのお金がもらえて、自分が認められて、やりたいことができる会社を選びたいという考え方が。

 

労働は素晴らしいものです。しかし、もちろんそれが家族のためとは言え、満員電車に乗って苦しんでいる父親の姿を見ているわかものが労働を前向きに捉えられるかと言われれば、それは無理です。
 

だからこそ、わかものが働くことに希望が持てるような社会が、我々が目指す次の理想の日本人の働き方なのではないでしょうか。
 

私は、この「納得した働き方を選びたい」というわかものの感性を活かせていない社会の方が問題ではないかと思っています。

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この記事を書いた人

矢辺卓哉

双子の妹に知的障害があったことが「生きづらいいね!」の始まり。彼女たちを恥ずかしいと思った自分の心を恥ずかしいと思い、大学3年時、障害のある人に関わる仕事を生涯の仕事にすると決める。障害者採用支援の会社で6年間働き、株式会社よりよく生きるプロジェクトを設立。現在は、障害のある人やニート・フリーター、職歴の多い人、企業で働きたくない人などに特化した支援を行っている。また、障害者雇用を行う企業へ退職防止、障害者が活躍できる組織づくりのコンサルティングを行う。「人生を味わいつくせる人を増やす」ことが一生のテーマ。