僕と、うつ病と、ED

ポエムみたいなタイトルですいません。元うつ病ライターの宮原です。どうぞよろしくお願いします。
 

さて、タイトルからもわかるとおり、今回は「うつ病とED」をテーマに、僕の体験談を少しお話したいと思いますので、お付き合いくださいませ。
 

20160620
 

EDとは

 

そもそも「EDってなんぞ?」という方もいるかと思います。特に女性は馴染みが薄いかもしれませんね。
 

ED(イーディー)とは、英語でいう「Erectile Dysfunction」の略称であり、日本語では「勃起障害」「勃起不全」という意味になります。男性器が、性行為を行う際に勃起状態にならない、もしくは勃起状態を維持できずに性行為ができないことを指す性機能障害に当てはまる症状です。
 

つまり、フランクに言うと「インポになった」「勃たなくなった」「萎えちゃう」というやつですね。
 

さて、僕がそんなEDになった時の話に続きたいと思います。
 

30分以上コスってんのに、勃たない

 

僕はある一般企業に勤めていた時に、うつ病となり休職をしていました。療養期間は1年半ほどで、26歳頃のことです。
 

うつ病による体調の良し悪しというのは、まるでランダムな波のように上り調子の時もあれば急に奈落の底にまで落ちる、といった変化を繰り返すわけですが、1年ほど経過すると徐々に体調が最悪のピーク時よりも回復してきました。基本的にはずっと家にいる生活を続けていましたが、布団の中で横になり動けないという時間は徐々に減り、調子が良い時間帯であればパソコンの前に座ってインターネットをすることができるようになっていきました。そんな時期のことです。
 

いやー、習慣というものは恐ろしいものでして、とある日の真夜中、僕はエロ画像・エロ動画を無意識に検索していたのです。気がつけば1年ほどの期間、性欲という存在をすっかり忘れていたわけで、検索している時も、今思うと特段そんなエロい気分が高まっていたわけではなかったと思います。
 

ただ、そういった類いの材料(通称「夢のカケラ~piece of a dream~」)は何気なく探し求めてしまうのです。小5ぐらいから探し求め続けて15年。クセというのはなかなか抜けませんね。
 

その夜も、僕にとって長年の信頼と実績を兼ね揃える新世紀エヴァンゲリオンの同人誌画像を色々見ていたんだと思いますが、「さて、そろそろ」と、ティッシュを手に取ったあたりで違和感に気付いたのです。
 

所謂、Maxに勃起した状態を数値化して100とした場合、以前までであれば既に宮原の宮原はその段階で90、少なくともすでに80ほどになってるはずなのに、どうしたことか多めに見繕ってもせいぜい50強ほどではありませんか。その後、画像を見ながら手で刺激を加えてみても、一向にトップギアにもっていくことが叶いません。
 

数字で一連の推移を表現するならば、60→52→44→28→35→46→50→48といった感じでしょうか。数字だけ見てると、まるで一般車道を走ってる自動車の速度みたいです。法定速度守ってて偉いなオイ。
 

気づけば、パソコン画面を見ずに視線は自分の股間に集中していました。そして、額に若干の汗を滲ませながら「あれ?あれ…?」「え、なんで?」とブツブツ言いながら利き手を上下に動かしていました。なんという哀しい自慰タイム。
 

いつの間にかティッシュを手にとってから既に30分以上が経過していました。なのに、フィニッシュどころか、ちゃんと勃つことすら出来ていなかったのです。なんつーか、まぁ半勃ちってやつ?そして、時間がかかり過ぎたためか、手はダルくなりアレも擦れすぎて痛くなってきました。
 

小5の夏に同級生Kくんの家で観た人生初AV作品「五つ星きらら」(きららかおりデビュー2作目)をキッカケに始まった僕のオナニーライフに初めて、かつ最大の危機が起こったことに気づいた瞬間でした。愕然としながら、静かにうなだれる僕。
 

後日、日を改めてちょくちょく試してはみるものの、結果は同じ。キチンと勃つに至らず。それどころか一向に射精できる気配もなく、30分以上コスっては疲れて終わる、を繰り返していました。今にして思うと、その当時の僕はEDこと勃起障害だけでなく、射精障害にもあてはまるような状態だったのかな?と思います。
 

20160620②
 

ED&射精障害になると、26歳男性は何を思うか?

 

唐突に「自分がEDっぽいぞ」ということに気づいてしまった僕ですが、その時、何を思ったか。それはもう、ただただシンプルなことでした。
 

\(^o^)/<めっっっちゃくちゃショック!もう、ひたすらにビックリするほどショック!!!ぬぁんでだよぉぉおおおおーーー!!??!!…なんで…だ……
 

ご存知の方もいるかもしれませんが、うつ病のポピュラーな症状として、マイナス&ネガティブ思考・自尊心の超絶低下・激しい自責の念、といったものがあります。乱暴な言い方をすると「とってもウジウジして、些細なことでも泣くほど凹んで、どんなことも自分のせいにして、自分で自分のことをゴミクズのように思いがちになる」といった感じでしょうか。
 

ただでさえ会社を休んで寝てばかりの自分を常々恥じていたうえに、新たに身に降りかかってきたのがEDです。「勃たない自分」というのが、社会人とかそういう括りではなく、もはや一人のヒューマンとして情けないと思ってしまい、それはそれはショックでした。
 

結局、割と違和感なく以前と同じような状態になるには、それから数ヶ月が必要でした。
 

うつ病になると、EDになるの?

 

こういった記事を見ると、「男の人は、うつ病になるとEDになるんだ!」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
 

うつ病には、様々な症状が起こりえます。先述したような気持ちがクヨクヨしてしまうような「精神症状」。そして不眠やEDといった「身体症状」が分類としてあります。しかし、うつ病の人が必ずそれらが満遍なく、かつ全員に症状にあらわれるわけではないのです。
 

人によって、また、同じ人であっても時期によって、特定の症状が出たり出なかったりします。一概には言えないため、結局は「ケースバイケース」ということでしょうか。また、ややこしいのですが、うつ病を治療するうえで処方される『抗うつ薬』という種類の薬を飲むことでも、その副作用として「性欲減退」「勃起障害」「射精障害」といったことが起こりえます。つまり、うつ病の男性にEDが起こる場合というのは、『うつ病の症状によるED』『薬の副作用によるED』が考えられます。
 

以前よりも体調が良くなってきたからといっても、突然EDのような症状が起こることもあるでしょうし、うつ病の状態に関わらず単に薬の処方がそれまでと変わり新しい薬による副作用のためにEDのようなことが起こることもあるでしょう。そしてそもそも、EDにならない人もいる。ということを覚えておいてもらえればと思います。
 

最後に

 

と、まぁ今回この記事で、「ED」だの「勃った勃たない」だの「五つ星きらら」だの正直に言ってる僕ですが、当時も通院していたクリニックのお医者さんに恥ずかしさから顔を若干伏せながらも割と正直に「勃たないんですけど…」と伝えていました。その際は、お医者さんがそれまでと変わらず普通のテンションで対応して言葉を返してくれたのを覚えています。
 

もし、当事者の方で同じような症状を自覚されている方がいれば、気になるようであれば診察でお医者さんに恥ずかしがらずに(恥ずかしがりながらでも)伝えるようにしてみてはどうでしょうか。
 

また、当事者の身近にいる方、特に恋人・伴侶の方にとっては、パートナーがEDというのは、とても苦しい問題だと思います。
 

しかし、うつ病の治療を進めるなかで一時的なものと受け止め、決してご自身と結びつけて考えないようにしてください。どうしても悩ましい場合は、当事者の方の通院に付き添うなどして、その際にお医者さんに気持ちを伝えてみるといったこともしてみると良いかもしれません。
 

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この記事を書いた人

宮原 直孝

1984年生まれ。大学卒業後に入社した一般企業で、あまりにも仕事ができなさ過ぎたこともあり、入社3年目にうつ病となる。その後、1年半の休職期間→退職を経験。うつ病から回復後、転職活動をするもうまくいかないことの現実逃避として何となく勢いで法人を設立。ボーっとしつつ、何となく適当にブログを書いたりTwitterをしているうちにplus-handicapにジョインしました。ジョインって言いたかっただけですが、よろしくお願いします。