内定ブルーはこうして吹っ飛ばせ。5つの心得。

リクルートスーツを目にすることが多い季節になりました。就活が終わった人の中には「自分にもこんな時期があったなぁ」と、たった一年前のことなのに懐かしんでいる人もいるかもしれません。
 

せっかく就活が終わっても、それだけで安心ができず自分の内定先について「企業名 ブラック」なんてキーワードで毎日検索している人もいることでしょう。卒業を控えたこの時期になると社会人になることが不安になる【内定ブルー状態】になってしまう人も少なくないようです。
 

そこで今回は内定ブルーになっている人、なりそうな人に向けて「内定ブルーを吹っ飛ばすための5か条」を伝授します。
 

1.ブラックだったら辞めればいい
 

内定ブルーになる理由は様々なかと思いますが、最近では「内定先がブラック企業だったらどうしよう」という不安が原因のケースも多いようです。そんな不安を持っている方には、はっきり言ってあげましょう。
 

入社してみてやっぱりブラック企業だと思ったら辞めればいいじゃん。
 

ここではブラック企業の定義云々については言及しませんが、本人がブラック企業だと確信したのなら辞めればいいというだけの話です。「辞めさせてくれないのがブラック企業だ」という人がいますが、法律上は退職の意思を表明してから2週間後に退職できます。就業規定で「1か月前」とか「半年前」となっていたとしても2週間前に申し出ればOKです。法律よりも就業規定が優先されるなんてことはあり得ません。辞めたきゃ辞めればいいのです。
 

内定ブルー
 

2.辞めても即死しない
 

辞めたいけどお金がないから辞められないという言い訳をする人がいますが、次の収入源を見つけるまでの短期間であれば借金をするなり、生活費を切り詰めるなりの手段はあります。
 

辞められないと思っている人に伝えたいのは、お金のために働いて命まで失ったら、元も子もないということです。
 

キャッシングなどで借入をすればその履歴は残りますし、返済が滞った記録などがあるとローンが組みにくくなるなどの制約はあります。それでも命まではとられません。最近は最低賃金も上がってきて、都内ならアルバイトでも時給1000円を超えることが珍しくなくなってきました。また日本には生活保護という制度もあります。辞めたからすぐに死ぬわけではありません。辞めたきゃ辞めればいいのです。
 

3.プライドを捨てれば、若いうちは仕事なんていくらでもある
 

辞めてもすぐには死なないのはわかったけど、入社してすぐに辞めたら次の就職先がないと思う人もいることでしょう。はっきり言います。
 

探し方が悪いんです。あの仕事はしたくない、こんな仕事はしたくない。そんなことを思っていたら、そりゃ就職先は限られます。
 

不人気業種も選択肢に含めれば、20代のうちは求人はたくさんあります。むしろ、今は人手不足という状況です。極端な話、独身ならアルバイトだけでも充分に生計は立てられます。私自身、起業後にお金がないときには日雇いバイトに登録して、倉庫でのピッキングとか、22時~6時までの小売店の棚卸バイトなんかもやっていました。1日やると8000円~1万円ちょっと。今は最低賃金が当時よりも高いのでもっともらえるのではないでしょうか。
 

いざとなれば、最低限生きていくだけならなんとかなります。「次の仕事がないかもしれない」という不安で無理に仕事を続ける必要はありません。
 

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4.ネットの評判は「被害妄想」と「嫉妬」
 

内定先を調べる手段のトップはネットでの検索でしょう。ネットで検索するといろいろな情報が出てきます。私が昔勤めていた会社についても、あることないこと書いてあります。
 

ネット上に情報を書き込んでいるのは、本当にその会社のことを知っている人たちなのでしょうか?元社員が「こんな会社は入ったらダメだ」という強い思いを持って書き込んでいることもあるでしょう。ネット上の情報は誰も正確性を担保してくれません。自分がどう判断するかだけなのです。
 

ネット上での情報を不安に思ってしまう人は、「被害妄想」と「嫉妬」のバイアスがかかっているという前提で情報をみてみるくらいでちょうどいいでしょう。そのバイアスを加味しても「ヤバイ」と思ったら、内定を蹴ってしまうのも一つの手です。
 

ちなみに、内定辞退をしても違約金などが生じることはまずあり得ません。中には「損害賠償を請求する」と脅してくる会社もあるらしいですが、そんなときは「法的根拠はなんですか?私は憲法にある職業選択の自由と、労基法にある強制労働の禁止を根拠に内定を辞退します」くらいのことを言ってみればいいのです。
 

5.「早く会社で活躍したい」という意識高い系の方が使えないことだってある
 

内定者同士で話している間に内定ブルーに陥るタイプもいるかもしれません。私がそうでした。内定式のときに事前課題に応じたプレゼンを1人5分ずつ行うのですが、他の内定者のプレゼンのレベルの高さに圧倒されました。それまで自分はプレゼンが得意だと思っていたのに、井の中の蛙だったことを痛感して、入社が怖くなりました。
 

また、同じ会社の内定者が「会社に入ったらこんな仕事をして、将来はこんなことをやりたい」などと具体的にやりたいことを語っているのを見て「自分はそんな具体的なこと考えてない」と劣等感を感じる人もいるかもしれません。
 

若手社員の研修で講師をしている立場から言わせてもらうと、入社時の意欲や能力と、数年後の仕事への意欲や評価には大きな相関関係はありません(多少はあります)。人事の方と話していると「〇〇さんは入社した時は優秀だと思ったのに、天狗になっちゃったのか今は全然ダメなんですよ」とか「△△さんは入社したときはこの子大丈夫かなって心配だったのに、今はうちの若手のエースですよ」なんて話はよく聞きます。
 

この辺りは過去に「入社時に優秀な社員は数年後にはダメ社員だ」という記事に書いていますが、入社時の能力や意欲なんて、その後の人生全体で考えれば微々たる差ですから、今の時点であまり気にする必要はありません。
 

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どうですか、内定ブルーは吹っ飛びましたか?
 

内定ブルーが杞憂に終わる人もいれば、嫌な予感が的中してしまう人もいるかもしれません。性格的にネガティブに考えてしまいがちな人は「いざとなったらこんな会社すぐに辞めればいい」と思っておいてもよいでしょう。
 

卒業して社会人になると、それまでと生活が一変しますからストレスが生じるのは当然ですし、不安に思うのも当たり前です。ちょっとくらいの内定ブルーは健康な証だと思っておいてください。内定ブルーなんて、内定者のうちしか味わえない貴重経験なんで、今のうちにブルーを謳歌してしまうのもよいでしょう。
 

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この記事を書いた人

井上洋市朗

「なんか格好良さそうだし、給料もいいから」という理由でコンサルティング会社へ入社するも、リストラの手伝いをしてお金をもらうことに嫌気が差し2年足らずで退職。自分と同じように3年以内で辞める若者100人へ直接インタビューを行い、その結果を「早期離職白書」にまとめ発表。現在は株式会社カイラボ代表として組織・人事コンサルティングを行う傍ら、「生きづらい、働きづらい環境を変える方法」についての情報発信を行っている。