発達障害と診断を受けるまで、自分を「宇宙人」だと本気で思っていた。

Plus-handicapをご覧の皆さんはじめまして、東田愛子と申します。1982年奈良県で生まれ、奈良県で育ち、今も奈良県に住んでいる生粋の奈良っ子です。そういうこともあって当事者活動をするときは「しかせん」というハンドルネームで活動しています。
 

私は2008年に発達障害である自閉症スペクトラム障害・ADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。診断された翌年から発達障害の成人当事者会を当事者仲間と一緒に立ち上げ、現在では二つの自助会のスタッフをしています。普段は高齢者のデイサービスセンターで介護員としても働いており、公私ともにどっぷり福祉に浸かっております。
 

20150627コラム①
 

発達障害と診断されるまでは周りとの感覚の違いに戸惑いながらも、健常者と同じ環境で過ごしてきました。最初に周りとの違和感を覚えたのが幼稚園の時。それまでは喘息の発作も度々あり、両親と7歳上の兄と家で過ごすことがほとんど。静かな環境で過ごしていたので困ることも無かったのですが、幼稚園に行くと幼児の甲高い叫び声が建物じゅう響いている。走る足音、化繊の体操服の刺激、家とは違う味付けの給食。私は耳も肌も舌もあちこち痛いと感じながらも
 

「みんなこれだけ痛いのによう我慢できるなあ。じゃあ、私も我慢せなあかんなあ。」

 

と自分に言い聞かせながら過ごしていました。
 

小学校に上がるとさらに障害特性で困ることが出てきました。教科書体など、「とめ」や「はらい」の部分が鋭く尖っている字体を見ると目が痛く感じ、無理して読むと吐いていました。先生が板書する音、周りの子が鉛筆で書く音、外から聞こえる音などが気になり、45分落ち着いて授業を受けることが出来ませんでした。低学年の間はじっと席にも座っていることさえできず勉強どころではなかったです。
 

「何にもせんでアホやといわれるのだけは絶対に嫌や!自分は絶対一番になってやる!」

 

というこだわりが障害特性をカバーする方法を考え出すきっかけになりました。私は極度の負けず嫌いで人からバカにされるのは恐怖にさえ感じていたからです。
 

「せや、自分が勉強しやすいところで勉強すればいいねんや。」

 

まず、学校で勉強するという概念を捨てました。授業は聞いても身に入らないのでただ聞いているフリをしてやり過ごし、家で兄に教科書の文章を読んでもらいノートに書き写してから勉強をしていました。教科書の文章を丸写しするので一年に教科書ノートが50冊になることも。今の時代に小学生だったらデジタル教科書あるからここまでしなくてよかったのかもしれません(笑)。
 

20150627写真②
 

しかし、自分の努力だけで解決できないことも小学生低学年を境に爆発的に増えてきました。まず忘れ物をしない日が義務教育を通してゼロでした。宿題しても、宿題を入れ忘れる。連絡帳もきっちり写し、寝る前に教科書やノートを点検して入れるもランドセルごと家に置き忘れる日も一ケ月に数回。下校途中に一人で神社に寄り道して境内にランドセルを置いて遊んでそのまま帰り、その神社にランドセルを忘れたことに気付かず神主さんから自宅に電話がかかってきて母からこっぴどく叱られて取りに走るということも。そして、ついたあだ名が「忘れ物クイーン」。
 

周りの人は物を置いても置いた場所を忘れないのに、自分がどうして忘れるのか理由が分からず気持ち悪いなとは思いながらも、忘れ物で命を取られるわけじゃないと思って当時は気にしないふりしてやり過ごしていました。診断されて短期記憶が極端に保持しにくいということが分かってからは忘れ物が格段に減りました。
 

また、障害特性の中には命の危険性を脅かすものもあります。私は痛みに関して極端に鈍感で、小学校一年生の時にジャングルジムの一番上から落ちて肩を脱臼し、顔・うで・脚の広範囲に擦り傷・切り傷があり血をダラダラ流していたのですが全く痛みを感じておらず、自分で怪我をしたことすらわかっていませんでした。保健の先生が血相変えて走ってきたのを見て私は「先生、どうかしたんですか?」とあっけらかんと言う始末。
 

「お前は宇宙人か!血が出てて、腕ブランブランしてて痛くないなんておかしいわ!」

 

病院から帰ってきて、その様子を見ていた同級生から突っ込まれたのは今でも鮮明に覚えていて、診断されるまで「自分は宇宙人ちゃうか?」と本気で思うことになったのでした。
 

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