電気消してくれない?女性障害者が感じる性交渉での悩みごと。

みなさま、はじめまして。
この記事にて、ライターとして参加することになった岡本直美です。
 

私は、生まれつき、股関節の作りが甘かった「先天性臼蓋形成不全」からくる変形性股関節症です。18歳、20歳、29歳、32歳、35歳と両足で5回、手術を受けています。障害としては「両股関節機能障害」で2種4級の障害者手帳を交付されています。最初に交付を受けたのは、20歳の夏で29歳の時に障害等級の変更があり、今の障害名と等級になっています。ちなみに未婚の母でもあり、24歳の時に普通分娩で娘を出産しています。
 

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下肢に不安を抱えていると、一種の生きづらさを感じることがあります。それは「性交渉・出産・子育て」の場面です。
 

『わたし、ちゃんと、できるだろうか。』
 

障害者の性について、今も若干ですがタブー視されていたりする面もありますが、私は、かなりオープンに医療従事者へ聞いたり、整形外科・外科患者同士でディスカッションをしたりします。私のような患者は、少数派かもしれません。
 

女性障害者が自らの言葉で問題提議したり、医療従事者と意見交換したりする。その場所は、オープンスペースだったり、リハビリテーション室だったり、病室だったりします。下肢の手術をされた仲間達で話題にあがる「性交渉で困ったこと、辛いこと」の一部をご紹介します。
 

①SEXって、みんなどうしてる~?
このお題では、とっても盛り上がりました。男性の場合は、彼女に騎乗位でしてもらう以外にできる体位ってあるかな?女性の場合は、正常位を求められたら、ちゃんと股・膝関節曲がるかな?足、開くかな?四つん這いになるの怖いんだよね。フェラをするときの体勢や挿入時の体位が難しくって。そんな話が出てきます。
 

②エッチするときには、照明は落とすの。傷跡みられたくない。
私も実際に、過去にどん引きされて、性行為の対象としてみられなくなったりしました。その後、しばらくは片側にだけ、傷跡を隠す体位を探していたりしました。
 

③相手を満足させることができるだろうか。
男女関係なく、多い不安の1つです。自分の身体でできること・できない事があって。相手を喜ばせたいっていう気持ちは、みんな一緒なのです。
 

④エッチしていて、痛みが出たり、できない体位を求められたらどうしよう。
股関節の患者仲間から多く聞こえてきます。足の開く幅や屈曲に制限があったり、私のように人工股関節をいれていると脱臼しちゃったらどうしよう。男性だと、きちんと出し入れできるかな?女性だと入れられている時、痛み出したらどうしようという悩みが具体的です。
 

⑤子供抱き上げられるかな。おむつ替えできるかな。
子育て世代の方々から、聞く不安の1つです。お風呂に入れることもなかなか難しい場面のひとつです。
 

この5つは、私自身が会話等でもよく触れる不安だったりします。私自身、できない体位を求められて、断ったら、大げんかになり、別れたことや「SEXできないでしょ。股関節わるいんだし。」って、結婚予定していた彼のお母さんに色々いわれ、婚約破棄したこともあります。
 

カップル
 

私は、29歳の時に右股関節に人工股関節全置換術(以後、THA)を受けました。人工股関節を入れると、脱臼を呼ぶ足の動きがあったりします。入院中、同じ年の研修医と「術後、いつ頃になったら、SEXできると思う?」と聞いてみました。その医師は「足が開いて、痛みが感じなければ大丈夫だよ。」と答えてくれました。「どんな体位なら、脱臼しないと思う?」この問いかけが、多くの仲が良いスタッフ達への問いかけになりました。
 

男性看護師から書籍等で「脱臼しない体位」と紹介されている書籍を貸してもらい、その場で目を通すと、私には受け入れがたいものでした。その文章を読んで凹んだ顔をみた男性看護師は、「そもそも閉経後もしくは閉経間近の変形性股関節症の進行期~末期の方々がTHAをするといわれています。20代で受けた患者向けのフォローを出来るような文献等もなくって。僕も考えてみます。」と横で色々と話を聞いてくれました。
 

退院後、初めて性交渉が出来たとき、うれしくて。定期検診時に「できたー!!」て喜んだら、主治医・担当理学療法士まで喜んでくれるという結果になりました。
 

身体に何らかの痛みや不安を抱えている方々が性行為について悩まれていることを見聞きします。私は、全身いたるところの骨格がおかしいけど、「普通に恋愛したりSEXしたい」と思っていました。でも、どうやったら、良いんだろうとひとりで悩む時期が長かった。私の情報で、こんな悩みを抱えているのは私だけじゃなかったと感じてもらえると嬉しいです。
 

少しずつ性について、女性の視点から綴っていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

岡本直美