障害者と一緒に何かをやる第一歩に!「障害者のスポーツ・レクリエーションシンポジウム」に参加しました!

先日、公益財団法人の日本レクリエーション協会が主催する「『健常者と障害者のスポーツ・レクリエーション活動連携推進新事業』シンポジウム」に参加しました。これは、スポーツ・レクリエーションという、いわば簡単なスポーツゲームを通して、障害者や健常者、地域の人々、ボランティアスタッフ等が交流し、互いの理解を深めながら豊かな社会をつくっていこう!という取り組みです。
 

シンポジウムの内容は、前半は日本各地で行われているレクリエーション活動の報告、後半は実際にレクリエーションを体験、という2部構成になっていました。レクリエーション体験の様子(一部)をご覧ください。
 

こちらはグランドゴルフです。木製パターはかなり重いです。
グランドゴルフ① 木製パターはかなり重いです。

 

ボールを打って、旗の下の円の中に入れたら勝ちです。
グランドゴルフ② ボールを打って、旗の下の円の中に入れたら勝ちです。

 

続いて、その名もキャッチボール。6か所の突起部分があり、キャッチした色ごとに点数分けがされています。
その名もキャッチボール。6か所の突起部分があり、キャッチした色ごとに点数分けがされています。

 

続いて、ポイントゾーンを使ったボッチャ。 ボッチャボールと呼ばれる、ゴム製の重量ボールを投げて、輪の中に入れます。対戦制で、相手と投げ合い得点を競い合っていきます。
続いて、ポイントゾーンを使ったボッチャ。
ボッチャボールと呼ばれる、ゴム製の重量ボールを投げて、輪の中に入れます。対戦制で、相手と投げ合い得点を競い合っていきます。

 

これは力加減がかなり難しい。
ボッチャ② これは力加減がかなり難しい。

 

右端にあるのが、ゴールの輪っかです。
ボッチャ③ 右端にあるのが、ゴールの輪っかです。

 

フープディスクを体験。目隠しをして、フリスビーをやります。輪の中に入れたら得点。
フライングディスク(フープディスク)のアキュラシーを体験。
目隠しをして、フリスビーをやります。輪の中に入れたら得点。

 

最後にカローリングボーリング。 カローリングと呼ばれるものを転がします。 そして、六角形の中にある得点別ペットボトルを多く倒したチームの勝ちに。
最後にカローリングボーリング。
カローリングと呼ばれるものを転がします。
そして、六角形の中にある得点別ペットボトルを多く倒したチームの勝ちに。

 

カローリングの裏面。 車輪が付いています。
カローリングボーリング② カローリングの裏面。車輪が付いています。

 

六角形の中のペットボトル。 配置はチームごとで思案いたします。
カローリングボーリング③ 六角形の中のペットボトル。配置はチームで思案します。

 

一見するとどの競技も単純そうですが、単純な分だけ、かなり奥深い内容になっています。どれも瞬発力はあまり必要としませんが、熟考しながら身体を動かすことになるので、障害者のスポーツゲームとして適しているように感じました。さらに、カーリングボーリングのようなチーム戦では、必然的に健常者も障害者と話す(打ち合わせる)ことになるので、両者のコミュニケーションが生まれるのです。
 

スポーツ・レクリエーションの狙いは、こうした「両者のコミュニケーション」にあるのです。私は、障害者と健常者が一緒にコミュニケーションがとれるものが少ないことが、障害者問題の一つではないかと考えていました。もちろん、障害者の障害の度合いによって状況は異なる、ということを前置きしておきますが、障害者は障害者のスポーツをやり、健常者は健常者のスポーツをやることがほとんどです。同じように仕事も、健常者用の仕事、障害者用の仕事といったように分かれています。両者が、互いの領域に入らない状態で共存することが住みやすい社会となっているという、パラドックス(逆説)を抱えているように感じるのです。
 

「障害者と健常者が一緒に出来る」
 

この有意義性はとても素晴らしいと思いました。「障害者のことをもっと知りたい」という方や、もしくは反対に「健常者に混じって何かやってみたい(身近な障害者にやらせたい)」と考えている方は、是非、参加してみることをお勧めします。
 

さらに、シンポジウム前半の報告活動では(詳細は省略しますが)、このシンポジウムで紹介されたレクリエーションが進化していけば、パラリンピック等の障害者スポーツ大会で正式種目として採用される可能性があるということが興味深かったです。編集長の佐々木氏が先日の記事で、パラリンピックの正式種目である「シッティングバレー」を取り上げていましたが、これも元々は、レクリエーション競技だったようです。
 

障害者や健常者が一緒に楽しめる競技としてもおもしろいですし、加えて自分が競技のゲーム性向上や普及活動等に関わったものがパラリンピックの正式種目になるかもしれないと考えると、とてもワクワクしてくるのです。
 

いろいろと難しく書いてしまいましたが、まずは一度、気楽な気持ちで参加してみましょう。plus-handicapでも情報を入手することが出来たら、お知らせしていきたいと考えています。
 

日本レクリエーション協会HP:http://universal.recreation.or.jp/

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この記事を書いた人

堀雄太

野球少年だった小学4年生の11月「骨腫瘍」と診断され、生きるために右足を切断する。幼少期の発熱の影響で左耳の聴力はゼロ。27歳の時には、脳出血を発症する。過去勤めていた会社は過酷な職場環境であり、また前職では障害が理由で仕事を干されたことがあるなど、数多くの「生きづらさ」を経験している。「自分自身=後天性障害者」の視点で、記事を書いていきたいと意気込む。