「障害者=癒し」というステレオタイプを壊したい

 

plus handicapをご覧のみなさん。
こんにちは。ライターのリーホーです。
 

早速ですが、みなさん。こちらをご覧になったことはありますか?
(おなじみになったこの出だし(笑))

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 「ビッグイシュー 日本版」

こちらの雑誌は、ご存知の方も多いかとは思いますが簡単に説明を。
 

「人生をあきらめないホームレスの人たちが売る、
人生をあきらめない人たちのための雑誌」
などというコンセプトで、国内の身近な社会問題から
世界レベルでの問題までを扱っている雑誌です。
 

駅前でホームレスの方が販売している光景を目にした人も多いと思います。
3月発売号の特集は、「五体不満足」の著書でも有名な乙武洋匡さん。
この方の説明はいらないかと思いますが、少しだけ。
15年前に大ベストセラーとなった「五体不満足」を発表し、
その後は、スポーツライター、小学校教員などを経て、最近では、
映画出演、新著の発表など、その活動の幅を広げております。
 

最初は、映画の話や新著についてを取り上げようと思ったのですが、
どうしても先に今回の話をご紹介したいと強く感じ、筆を執りました。
 

特集は、最近公開になった映画「だいじょうぶ3組」
についてのインタビューなのですが、
乙武さんの言葉が、同じ障害者として、心底響いてきました。

 

「ただ存在しているだけで 称賛されてしまうことに無力感。
今度は自分が力を尽くしたい」

 

そうなんですよね。
私もそうでした。
 

「障害を持ってても、明るく前向きに生きていて、とても素晴らしいです」
 

多くの方からこのような言葉をいただきます。
そのように言ってもらえること自体は問題ではありません。
「本当にありがとうございます」
 

この問題については“障害者側”の話になるかもしれません。
乙武さんも言っておりますが。
「僕はただフツーに生きてきただけ。
 ただ障害があるというだけで、ただ存在しているだけで称賛されてしまう
 ことに無力感も覚えていたし(後略)」
確かに障害は不便ではあるので、そこに対して、気遣いのような言葉を
かけてもらえることは嬉しくあります。
 

しかし、そこから一歩進んだ「障害を持って頑張っている堀君のような人も
いるんだし、自分たちも頑張らなきゃ」というロジックにはやはり違和感が
ありました。
 

今考えると、それがその時点での自分の人間としての実力なわけなのですが。
タイトルにあるように「障害者=癒し」というステレオタイプを壊すには、
「障害者で頑張っている→障害者なのに気合い入ってる。すげぇ人だ!」
という認識をつくっていく必要はあると思っております。
なぜ壊す必要があるかというと、
障害者自身の甘えも出てくるだろうし、(正直、私も存分に甘えていました。。)
これからの障害者の地位向上にも関わってくると思います。
 

癒しは癒しでよいのですが、(障害者の社会的役割の一部ではあると思います)
しかし、それだけで終わらせていけないと思うのです。
 

では、何をするのか?
 

乙武さんはさらに言いました。
「もっと主体的に働きかけ、人の役に立つことができないかと思うようになった」
 

私自身も何をしているわけでもありませんが、、、
やはり、社会に参加することなのではないかと。
 

その中で、自分の役割を見つけ、少しずつでも実践をしていく。
 

別に特別な活躍をすることはありません。
フツーに仕事をして、社会に貢献をする。
それだけですし、それ以上のことはないと思います。
 

問題なのは、それすらが機能していない現実もあるということです。
 

私の最初のコラム「一番の障害って、情報障害だと思うんですよ」でも
書きましたが、
「障害者が気軽にフツーに社会に参加していく」ための情報を、
Plus-handicapではドンドンと取り上げていきたいと思っております。
そのためのメディアであると私は考えております。

 

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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この記事を書いた人

堀雄太

野球少年だった小学4年生の11月「骨腫瘍」と診断され、生きるために右足を切断する。幼少期の発熱の影響で左耳の聴力はゼロ。27歳の時には、脳出血を発症する。過去勤めていた会社は過酷な職場環境であり、また前職では障害が理由で仕事を干されたことがあるなど、数多くの「生きづらさ」を経験している。「自分自身=後天性障害者」の視点で、記事を書いていきたいと意気込む。