今、TBS系列の夕方以降の時間では、4年に一度のアジアのスポーツの祭典「アジア大会」が中継されています。韓国・インチョンで行われているアジア大会は、9月19日の開会式以来、10月4日まで熱い試合が繰り広げられます。
オリンピックの終了後にパラリンピックが開催されるように、今回のアジア大会の後には、10月18日から24日まで、アジアパラ競技大会(ASIAN PARA GAMES)という大会が開催されます。アジア大会の存在は知っていても、障害者アスリートのアジア大会があることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。
実は、私自身、何度かPlus-handicapでも紹介してきたシッティングバレーという競技で、アジアパラ競技大会に臨みます。アジアナンバーワンを目指して、アジアの強豪国(アジアのトップはイラン)に立ち向かってきたいと思っていますが、大会の裏側等もお伝えできればと考えています。
【過去記事】
障害者スポーツって実は誰でもできちゃう。障害者限定ではないシッティングバレーの世界。
//plus-handicap.com/2014/02/2820/
10月に体育の日があることも然ることながら、運動会が開催されたり、国体が開催されたりと、スポーツの秋と呼ばれるように、様々なスポーツイベントが開催されます。この秋に開催される障害者スポーツの中で、私自身が見に行ってみたいなと思う大会をまとめてみました。
●第4回日本アンプティサッカー選手権大会
アンプティサッカーとは、上肢、下肢の切断障害を持った選手がプレーするサッカーです。足を切断し、義足を履いているひとであれば、義足を外し、ボールを蹴るときや動くときには松葉杖クラッチ(主にロフストランドクラッチ)を用います。私自身が義足ユーザーということもあり、やってみたいなと思いつつ、シッティングバレーを始めたという経緯がありますが、個人的にこの競技のファンです。
■Final Round
開催場所:フロンタウンさぎぬま(東急田園都市線鷺沼駅徒歩3分)
開催日:2014年10月12日(日)10時〜
●第1回世界障害者ゴルフ選手権
障害者のゴルフプレーヤーのナンバーワンを決める大会が9月28日から茨城県土浦市のワンウェイゴルフクラブにて開催されます。
2016年からゴルフがオリンピックの正式競技となりました。では、パラリンピックの競技にも同時に選ばれるのかと言えば、そういうことはなく、定期的な世界大会の開催という実績がなければ選ばれることはないようです。パラリンピックの正式競技に選ばれることに向け、第1回が開催されますが、その開催地が日本というのは誇らしいことです。片足のゴルファーや車いすのゴルファー等のプレイに注目です。
開催日程:2014年9月28日(日)〜10月3日(月)
会場:ワンウェイゴルフクラブ(茨城県土浦市)
Readyfor?のサイトにも詳しく書かれています。
https://readyfor.jp/projects/world-disabledgolfchampionship
●第48回全国ろうあ者体育大会 in 沖縄
大会日程としてはちょうど今日(9月25日)から始まるのがろうあ者の国体です。耳が不自由な方が試合中にどのようにコミュニケーションを取っているのかという観点で競技を見るとなかなか面白いです。例えば手話であれば、耳と口を使ったコミュニケーションではなく、目を使います。スポーツを見て楽しむ場合の観点は様々あると思いますが、健常者(健聴者)とは異なる手法でのチームマネジメントが個人的に興味深いです。
開催日程:2014年9月25日(木)〜9月28日(日)
開催地:沖縄県
●2014年第6回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・福岡
知的障害者のスポーツの祭典はスペシャルオリンピックスです。2015年の世界大会がロサンゼルスで開催されますが、その選考会を兼ねた国内大会が福岡で開催されます。公式サイトに、「スペシャルオリンピックのスポーツは結果よりも、過程を重視しています」と書かれています。ひとりひとりに合ったスポーツを楽しめるようになるまでの過程を重視する。水泳であれば、着替え→シャワー→プールに入る→水中を歩けるといった過程をひとつひとつクリアすることに意義を置く。この変化を楽しむという姿勢は様々なスポーツの場面に応用できるように思います。
開催日程:2014年11月1日(土)〜11月3日(月・祝)
開催地:沖縄県
公式サイト:http://www.son.or.jp/about_son/activity/event/schedule.html
障害者スポーツの世界は、まだまだ社会との接点が少ないのが実情です。社会の認知度が低いことは言わずもがなですが、実は障害者自身もスポーツの存在を知りません。2020年東京パラリンピックの開催も決まり、障害者スポーツ人口を増やすことが急務となっています。競技人口を増やすことが、競争を生み出し、成果につながるからです。この記事を見て「見てみたい」と思うひとがいれば、ぜひ観戦してほしいですし(ほとんどが無料です)、「やってみたい」と思う人がいれば、ぜひトビラを叩いてほしいです。
また、障害者スポーツは、大前提として自身の障害の機能回復、つまりリハビリの延長線上にあるものです。もともと私自身水泳をやっていましたが、手術によって固定された足首の稼働域が広がったことは発見でした。アジアパラ競技大会で臨むシッティングバレーも、競技をやっていく中で体幹が鍛えられ、歩く際の姿勢が良くなりました。障害者スポーツの場合、自分と似た障害を持つ友人が増えることもポジティブな結果です。
障害者の周囲にいる方にも、障害者スポーツの存在を知って頂き、本人に一言、「やってみない?見に行ってみない?」と声をかけて頂けたら嬉しいなと感じます。