障害者雇用における、受入れ側の準備の大切さ

皆さん、ごきげんよう。矢辺です。
 

今日は、障害者雇用における受入れ側の準備の大切さについて書いていきます。
 

受入れる
 

私は障害者を受入れる部署に向けて、障害者社員の入社前研修などを行っています。その研修後のアンケートで、こんな声を多くいただきます。9割5分くらいはこのような感想です。
 

漠然とした不安
漠然とした不安

 

・大変だ ・手間がかかる ・すぐに辞めてしまったらどうしよう
・大変だ ・手間がかかる ・すぐに辞めてしまったらどうしよう

 

とにかく気を使わなければと思っていました。発言等でキズつけなければ、おとなしくしていようと思ってました。
とにかく気を使わなければと思っていました。発言等でキズつけなければ、おとなしくしていようと思ってました。

 

障害者を雇用するのは人事担当者ですが、共に働くのは受入れ先の部署の皆さんです。漠然とした不安を抱え、「特に積極的に関わらない」と考える人もいる中、障害者を受入れる予備知識もない部署に障害のある方が配属される場合、仲間として受入れられ、働きがいを感じられるでしょうか。ただ雇用するだけで障害者雇用は終わりで本当に良いのでしょうか。
 

「ここが変だよ、障害者雇用」、という記事でお伝えしたように、企業にとって障害者を雇用することは社会的責任や法令を遵守するためのものです。能力・スキル面を第一として、障害者を採用するわけではありません。この仕事を始めるにあたり、人事担当の方に何名もお会いしましたが各部署の障害者がどうしているか?どんな気持ちで働いているか?を把握している方はほとんどいらっしゃいませんでした。
 

障害者・健常者に関わらず、人事の仕事は採用するところまでであり、何か問題が発生する、退職するとなったときに再び関わることになるため、把握していないことは当然なのかもしれません。
 

しかし、障害のある人が入社する場合、受入れ先の多くのひとが「障害」への戸惑いを抱えるということを皆さんに知って頂きたいです。これは上記のアンケートから分かることです。障害者を受入れる一社一社、ひとりひとりがどういう気持ちになっているのかを知る手だてはありません。
 

研修
 

障害者を前向きに受入れ、活躍させ、充分戦力になっていると自負できる会社もあります。このような会社の場合は、受入れる側にも準備ができています。その反面、なかなか障害者社員が定着しない、活躍しないと感じている会社は、受入れる側の準備ができていないのです。
 

大学生の新卒採用においては、企業側が受入れるための準備をすることは当たり前ですが、障害者の場合は、障害があるぶん、受入れる難易度は増すはずなのに、なかなか準備が行われません。
 

契約社員や嘱託社員といった形態での雇用が多いことも背景にありますが、障害者を活躍させられずに困っている会社は、受入れ側の準備不足に因るのではないでしょうか。
 

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この記事を書いた人

矢辺卓哉

双子の妹に知的障害があったことが「生きづらいいね!」の始まり。彼女たちを恥ずかしいと思った自分の心を恥ずかしいと思い、大学3年時、障害のある人に関わる仕事を生涯の仕事にすると決める。障害者採用支援の会社で6年間働き、株式会社よりよく生きるプロジェクトを設立。現在は、障害のある人やニート・フリーター、職歴の多い人、企業で働きたくない人などに特化した支援を行っている。また、障害者雇用を行う企業へ退職防止、障害者が活躍できる組織づくりのコンサルティングを行う。「人生を味わいつくせる人を増やす」ことが一生のテーマ。