昨年12月12日に発表された消費者庁のニュースリリースによれば、平成26年10月末時点で、「事故情報データバンク」などに寄せられた、脚立・はしごからの転落事故の情報は437件にのぼるそうです。そのうち、頭部を強打して死亡に至った事故は8件あったとのこと。
内訳を見てみると、事故を負ったのは50歳以上が7割を占め、庭木の剪定や屋根の修理など、住宅での作業中に多く発生しているようです。頭部を強打して生活に支障を来す後遺症が残った事故もあり、「たかが、はしご」と油断は禁物です。
なぜ、脚立からの転落事故が多いのか。その原因として、脚立やはしごの破損が原因で転落したのは1割にも満たず、使用者の誤った使用方法や、バランスを崩したり滑ったりして転落したケースが大半を占めているそうです。つまり、脚立からの転落を防ぐには、脚立・はしごの正しい使い方を知ること。今後、脚立・はしごを使う際は以下の用法を守って使用してください。
●脚立から身を乗り出さない!荷物を持ちながら昇降しない!天板はまたがない!
脚立から身を乗り出すこと、荷物を持ちながら昇降すること、天板をまたぐことは取扱説明書で禁止されています。
●はしごの立てかけ角度は75度!一番上まで登らない!
はしごが一番安定する角度は75度です。はしごの上から3段目より上の段には乗ってはいけません。
●必ず平坦な場所で使用する!
そんなに都合よく平らな場所なんてないよ、とお思いかもしれませんが、滑りやすいタイルや、玉砂利の上で使用するとマジで危ないです。
●バランスを保って!足は滑らせないで!
転落事故のうち、バランスを崩したり滑ったりしたケースが大半を占めます。特に加齢に伴い、身体の機能は低下するので、己の身体を過信せずに緊張感をもって利用しましょう。
社会の高齢化に伴い、今後65歳以上の人口はますます増えるでしょう。会社を退職してゆったりとした老後を送るはずが、庭木の手入れをしている最中に脚立から転落して骨折。最悪、寝たきり、死亡なんてことになったら…。せっかくの老後が台無しです。また、自分自身だけでなく、パートナーや家族にも迷惑をかけてしまうことも考えられます。高齢の両親と同居している方々も、両親がはしごを使用する際は、注意して見守るようにしましょう。防げる事故から生まれる生きづらさはもったいない話です。
(参考サイト)
消費者庁 平成26年12月22日 ニュースリリース
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/141222kouhyou_1.pdf