2016年4月1日から本格施行された「障害者差別解消法」によって、教育現場における障害児者に対する合理的配慮が今まで以上に求められることになりました。そんな社会背景もあり、株式会社LITALICOが展開している学習塾&幼児教室「Leaf」が、合理的配慮に関する概要や内容を理解し、子どもたちが学校等の教育機関で学びやすくするためのサポートツールとして「合理的配慮ハンドブック」を発行、WEB上でダウンロードが可能となっています。
合理的配慮とは?|「Leaf」ホームページより(このリンクからダウンロードできます)
http://leaf-school.jp/hattatsu/consideration.html
発達障害や学習障害の子どもたちの教育に強みを発揮している「Leaf」さんだけあって、合理的配慮の具体例や現場で起こりそうなQ&Aなど、10ページというシンプルな構成(表紙など含めると12ページの構成)ながらも、必要最低な事項がギュッとまとめられている分かりやすいツールです。
個人的には【合意した配慮の内容】について共有できる合理的配慮相談シートが好きで、学校の先生と保護者間で起こりそうな、実施すると決めた合理的配慮に関する「言った・言わない」を極力なくすためのいいツールだなと思いました。
障害児者とその家族など当事者側から見れば、障害児者に対する配慮は社会に積極的に望むものです。ただ、法律の施行が必要だったという背景は、今まで社会が深く考えてこなかったテーマであることを示しており、多くのひとが何をすればいいのか分からないという状況にあることも事実。障害児者と接する機会が少ないひとほど「分からない」「不安だ」という心情が広がっていることもまた事実なのではないでしょうか。
こういったハンドブックを通じて、少しでも多くのひとが、障害者に対する合理的配慮を気軽な気持ちで知る、考えられるようになればいいと思いますし、教育現場に広がっている「教えづらさ」や「学びづらさ」が緩和、解消、予防されれば、より多くのひとの生きづらさがなくなるのだろうなと期待しています。