本日7月1日から最寄りの児童相談所につながる電話番号が「189(いちはやく)」になりました。これまでは10桁の児童相談所全国共通ダイヤルでしたが、子どもたちや保護者のSOSの声をいちはやくキャッチするために3桁の覚えやすい番号にしようという背景から、今回の番号になりました。
ポスターには「虐待かもと思ったら189番へ」という標語が書かれていますが、「子育てが大変でついつい子どもに当たってしまう」「子育てに悩んでいる友人がいる」といった子育ての悩み全般に対応してくれるようです。189に電話をすれば、固定電話からだと最寄りの児童相談所へ電話が転送され、携帯電話からだと音声案内に沿って最寄りの児童相談所に電話が転送されます。
児童相談所の児童虐待の相談対応件数(平成25年度)は73,802件とここ15年ほどで6倍以上に増加しており、児童相談所経由で児童養護施設等に入所する子どもたちの理由も虐待やネグレクトが上位を占めています。そんな時代背景のもと、今回のように覚えやすい番号で悩みを相談できること、周囲が感じた危険信号を伝えられることは非常に有意義なものだと思います。
両親だけでなく、両祖父母や親類、地域ぐるみで子育てを行っていたのが昔の日本。核家族化が進み、両親と子どもという単位になってから、子育てに関する悩みは多様なものになってきています。相談できる相手がいない、何かあったときに預けられる相手がいないというような孤立感も、問題の背景として考えられます。「189番」という分かりやすいダイヤルができましたが、一番は「電話しなくて済む」という状態です。かつての日本のように、核家族から少し拡大したコミュニティで子どもを育てていくことが、一つの筋道なのかもしれません。
(参考)
児童相談所全国共通ダイヤルについて|厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/