厚生労働省は毎年11月を「児童虐待防止推進月間」とし、児童虐待問題に対する社会的な関心を喚起する啓発活動を行っています。この取り組みのひとつとして、国民一人ひとりが感覚的な言葉で思い起こせるように、標語を一般公募しています。標語は平成17年度(2005年度)から募集が始まり、昨年は「ためらわず 知らせてつなぐ 命の輪」でした。募集期間は4月17日(金)〜6月16日(火)という約2ヶ月間です。
警察庁によると、昨年2014年に虐待された疑いがあるとして、全国の警察が児童相談所に通告した子どもの数は2万8923人とされ、前年より7320人増という過去最高の人数でした。「深刻な事件が相次いで国民の認識が一層高まり、通報が増えた」という警察庁の分析もあるようですが、いずれにせよ、児童虐待が増加傾向にあることは事実です。
厚生労働省のホームページには、児童虐待の定義が記載されています。児童虐待は身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4種類に分類されます。平成24年(2012年)の統計データでは、身体的虐待が35.3%、心理的虐待が33.6%、ネグレクトが28.9%となっています。また、虐待を受けた子どもの年齢構成は、未就学児が43.5%、小学生が35.2%。これらの言葉や数字を覚えておくだけでも、児童虐待問題に対して関心をもつことにつながります。
標語には「主体的な関わりを持てるように」という意図があるそうです。自分には関係のないことと割り切るのではなく、自分が当事者になるかもしれない、隣人がそのような状況にあるかもしれない。過敏になる必要はないかもしれませんが、頭の片隅に置いておきたい社会問題のひとつではないでしょうか。少なくとも、日本の未来を作る子どもたちをよりよい環境でいかに育てていくかは、今を生きる日本人が考えておかなくてはならない問題だと思います。
(参考)
●平成27年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000075969.html
●【図解・社会】児童虐待件数と通告人数(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_tyosa-jikenchildren-casualties
●児童虐待の定義と現状(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html
(標語の送り先)
・電子メールの場合
jidou-hyougo@city.kawasaki.jp
・郵送の場合
〒210-8577神奈川県川崎市川崎区宮本町1番地 川崎市役所
市民・子ども局 こども本部 児童家庭支援・虐待対策室 標語募集担当 宛