住居や介護施設の玄関先に設置されたカメラに徘徊活動を開始した認知症患者が映ったら、警告音が鳴り響き(そこまで大げさではない)、家族や介護スタッフのスマホに「◯◯さん徘徊し始めました」と通知が届く。迅速な対応によって徘徊行動を防ぐことができる画期的なシステムがLYKAON株式会社によって開発されました。「徘徊防止システムLYKAON」です。
顔認証技術を活用した万引き防止システムを開発、販売しているLYKAON株式会社。顔認証の技術を応用し、認知症患者の徘徊行動を防ぐためのシステムが今回リリースされました。
「徘徊防止システムLYKAON」は、顔認証技術を応用した次世代の徘徊対策です。予め、徘徊行動を取る対象者の顔情報をシステムに登録し、住居や介護施設の出入り口などにカメラを設置することで、対象者が外出しようとした時に、警告音とアラートで通知がされます。また、スマートフォンアプリを活用することで、家族や介護スタッフが外出中であっても、対象者が外出した際には通知がされるので、迅速に徘徊行動を防ぐことができます。(ValuePress!より)
今までは家族や介護施設スタッフが、常時目を行き渡らせながら「監視」しているようなものでした。時間的拘束に加え、精神的疲労も重なり、大きな負担となっていた「徘徊」に関する問題を「顔認証技術×スマホアプリ」という最新技術で解決しようということが、開発の背景です。
福祉の世界は人と人とのつながりや暖かさを意識していたり、求めていたりすることがあります。これを蔑ろにしろとは言いませんが、システムやツールなどの最新技術を導入し、作業を効率化できる部分は効率化しながら、スタッフの負担を減らしていくことが、結果的にサービスの質が上がることにつながるのではないかと考えます。
家にカメラを設置することは、防犯上の意味合いが強く、外からの敵の侵入を防ぐという観点でした。その観点に加え、家の中から出て行くことを防ぐという観点を持ち合わせるのは、非常に理に適っている印象を受けます。一種の行動管理ができるシステムであると考えると、徘徊だけでなく、無事に子どもが出かけたのかという行動確認や、配偶者の予期せぬ外出までも確認できるのかもしれません。企業の観点で言えば、打刻代わりになり勤怠管理もできるのかもしれません。
「顔認証技術×アプリ」はあらゆる場面での効率化を生み出しそうな気がします。
(参照先)
顔認証技術を使った認知症患者向け対策システム、「徘徊防止システムLYKAON」をリリース|ValuePress!(2015.6.4)
https://www.value-press.com/pressrelease/142771
顔認証徘徊防止システム リカオン
http://www.facial-lykaon.com/