3月後半が過ぎると、毎年恒例の「今年の新入社員は◯◯型」という新入社員の特徴が、公益財団法人日本生産性本部より発表されます。ご多分に漏れず、今年も先月末発表され、平成27年度の新入社員の特徴は「消せるボールペン型」となりました。
見かけはありきたりなボールペンだが、その機能は大きく異なっている。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)。(公益財団法人日本生産性本部ホームページより)
たしかに、言い得て妙。物心ついたときからパソコンがあり、ほぼ全員がケータイやスマホを持った学生時代を過ごしていること。就職活動も多岐に渡り、様々な難関選考、面接をくぐり抜けてきていること。ボランティア経験や企業でのインターンシップなどの実施割合も高くなっている(就活のネタづくりのきらいもある)こと。これらから鑑みれば、純粋な新入社員比較だと今の新入社員のほうがスペックは上かもしれません。そして「ゆとり世代」という言葉からイメージされるステレオタイプから類推すれば、上記のような特徴を導くことができるのかもしれません。
この新入社員の特徴は、なるほどなと思う一方、最近の流行や時勢に合わせてネーミングをしているきらいもあるので、同意しかねる部分もあります。昨年はロボット掃除機型、一昨年は奇跡の一本松型というネーミングを見れば、「なるほど、そういうことか」と気づく方もいると思います。議論を収束させるときに「今年もうまいこと言いましたね」という発言が生まれているように感じるのは気のせいでしょうか。
新入社員を受け入れるこの4月、教育担当者や現場の育成責任者などは、どんな後輩が入ってくるのか期待すると同時に不安を抱くことも事実です。普段の業務をこなしながら、いまどきの若者や就職活動について考えている方は多くはありません。イメージを描くためのとっかかりとして、この「型」を参考にするのはアリだとは思います。ただ、型やヒント、ステレオタイプはあくまでも参考情報。目の前の後輩社員に合わせた育成方針や教育を施すことが重要なのは、言うまでもありません。
(参考サイト)
公益財団法人 日本生産性本部 平成27年度・新入社員の特徴(2015.3.24)
http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity001438/attached.pdf