「過労死等防止対策白書」を政府が初めて発行

電通の新入社員が過労の末に自殺したというニュースが飛び回っている裏で、政府が初めて「過労死等防止対策白書」を発行しました。これは、平成26年に成立・施行された過労死等防止対策推進法に基づいて、国会への報告書として発行されます。
 

過労死等防止対策白書では、第1章の最初に「労働時間の現状」についてのデータが掲載されており、次いで「有給休暇の取得」について掲載されています。特に労働時間については様々な視点からのデータが示されています。白書の冒頭で労働時間や有給休暇についてこれだけ詳しく述べられているのは、政府が過労死と労働時間・日数との間には深い関係性があると考えているからでしょう。
 

時短勤務の広まりや限定正社員など、以前よりも多様な働き方が広がっている印象もありますが、データ上では労働時間は微減。白書の中では、微減の理由についても「パート労働者の増加によるものと考えられる」としており、正社員の労働時間そのものは短くなっていないことがわかります。一部の大企業では時短勤務や残業禁止なども広がっているかもしれませんが、日本の約99%が中小企業であることを考えると、影響は限定的かもしれません。
 

外国でも「過労死」がそのまま「karoushi」という言葉で使われているように、過労死問題について、政府が白書の発行を行ったということは、今後、本腰を入れてこの問題に取り組んでいくという姿勢の表れかもしれません。初めて発行された白書の冒頭が労働時間についてということは、政府が着手する課題のひとつは労働時間の削減であることを意味しています。
 

短い労働時間での高い労働生産性の実現と多様な働き方の共生は、今後、企業の規模を問わず、企業に求められる要素になっていきそうな予感がします。
 

(参照)

「過労死等防止対策白書」を公表します|厚生労働省プレスリリース(2016.10.7)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000139008.html

「過労死等防止対策白書」
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/16/dl/16-1.pdf

 

株式会社カイラボのメールマガジンより一部抜粋、加筆したものを掲載しております。

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