仮放免状態の非正規滞在者に在留特別許可を。当事者ら30名が法務省前で訴え

2016年3月1日、日本に暮らす外国人の支援を行うNPO法人APFS(ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY)の加藤丈太郎代表理事らが、仮放免状態にある非正規滞在外国人への在留特別許可を求め、法務省入国管理局に申し入れを行った。当事者の外国人ら30名も法務省前に駆けつけ、省内での1時間にわたる申し入れの間、自身や家族の在留資格を求めて声をあげた。
 

申し入れが行われている法務省前に駆けつけた当事者たち

申し入れが行われている法務省前に駆けつけた当事者たち


 

超過滞在などで退去強制処分(いわゆる強制送還)になった場合、所定の手続きを経て、一時的に処分を猶予される仮放免という制度がある。ただし、仮放免状態では就労や国民健康保険への加入ができず、住居や行動範囲にも制限がかかる。
 

2014年12月末時点で約3400人が仮放免状態にあり、この日訴えを行った当事者も、多くが同様の状態。長い人では9年に及ぶなど仮放免状態が長期化しており、強制送還こそされないものの、将来の展望が描けず不安定な生活を強いられている。
 

申し入れでは、仮放免状態の非正規滞在者への一刻も早い在留特別許可を求める要望書と、APFSとともに在留特別許可を求めている非正規滞在者20ケース37名の名簿を提出。要望書では、親子や夫婦を分断しないこと、認定基準が厳しい難民申請者にも弾力的に在留特別許可を認めることなどを要求した。
 

親も子どもも一緒になって思いを伝えた

親も子どもも一緒になって思いを伝えた


 

フィリピン人の両親のもとに日本で生まれ、現在は福祉系の専門学校に通う19歳の少年は「あと1年学校に通うが、在留資格がないと卒業しても日本で働けない。親だけフィリピンに帰れと言われたが、小学校3年生の弟も日本で20年近く暮らす両親も生活の基盤は日本にある。これからも日本のために頑張りたいので、在留資格をもらいたい」とマイクを握った。
 

数日後に期末試験を控えながら学校帰りに駆けつけた16歳のイラン人高校生は、「家族が大事なのは幼い子どもでも分かること。子どもだけ、親だけの在留はあり得ないと思う。願いを聞いてください」と訴えた。
 

申し入れを終えた加藤代表理事は、「間違いなく一歩一歩前に進んでいます。みんなの名前は入国管理局に伝えています。これらのケースについてはもう一度見ますと言ってもらいました。声を出せば前に進むのは間違いないです」と当事者らを激励した。子どもも大人も一緒になって、今後も訴えを続けていく予定だ。
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APFSでは、3月5日に国際シンポジウム「介護人材送り出しにおける課題と外国人住民支援―フィリピンとインドネシアの経験に学ぶ―」を開催する。会場は立教大学池袋キャンパス。定員100名。要事前申込(シンポジウム当日まで受付)。詳細はこちら
 

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