障害者雇用率の低い企業が社名公表されました

厚生労働省は、3月31日、障害者の雇用状況に改善が見られない8社を公表しました。
 

・株式会社セリア:(岐阜県大垣市):1.23%
・株式会社日本セレモニー(山口県下関市):1.21%
・株式会社日本オプティカル(愛知県名古屋市):1.16%
・株式会社扇港電機(三重県四日市市):1.02%
・株式会社ナイス(秋田県秋田市):0.95%
・惠山株式会社(東京都渋谷区):0.29%
・ブリッジインターナショナル株式会社(東京都世田谷区):0%
・プログレス・テクノロジーズ株式会社(東京都江東区):0%
 

行政機関も下記2機関が厚生労働大臣からの勧告を受けました。
 

・青森県病院局:1.43%
・福島県病院局:0.57%
 

一般企業は従業員数の2%、国・地方公共団体などの公的機関は2.3%、障害者を雇用することが義務づけられています。達成できない企業には行政からの指導が入り、達成に向けた計画の提出と実行が求められます。従業員数の2%ということは、単純に考えれば、社員50名の会社であれば障害者社員を1名雇用する必要があるということです。
 

平成26年度は、平成23年及び平成24年1月1日を始期とし平成26年12月31日を終期とする雇入れ計画を作成した617社のうち雇用状況の改善が特に悪かった84社と、平成25年に公表猶予した12社の計96社を対象に、障害者の雇用状況に改善が見られない場合、企業名を公表することを前提とした指導を実施してきました。(厚生労働省プレスリリース2015.3.31

 

公表基準は、平成27年1月1日現在、実雇用率が平成25年の全国平均実雇用率(1.76%)未満の場合(法定雇用障害者数が4人以下の企業については当該数が3~4人で実雇用率が0%の場合)とされており、その中でも、達成見込みの薄い企業などが社名公表の対象となります。したがって、今回公表された企業・機関だけが未達成というわけではありません。
 

障害者雇用納付金制度というものがあり、法定雇用率に満たない企業からは納付金を徴収し、法定雇用率以上の障害者を雇用している企業へは調整金や各種助成金を支給していますが、2015年4月1日からは従来の従業員数200名以上の企業から100名以上の企業へと対象が拡大されました。より多くの企業に障害者雇用への積極的な姿勢を起こす必要が求められます。
 

働くことに困難さを抱えやすい障害者にとって障害者雇用はなくてはならない施策です。障害者側から見れば、就労の機会を得やすくなっただけで、まだまだ改善点は多いと見る向きが強いですが、過去を遡れば、ここまで制度が進歩し、働きづらさは改善されつつあると一定の評価を下すこともできるかもしれません。少しずつですが、障害者雇用の世界は前進し続けています。
 

とはいえ、社名公表されるような事態は、会社のブランディングとしても最悪なケース。直近2年のような社名公表ゼロの年が今後続いていくような社会へと変わる必要が求められます。
 

(参照先)
障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表等について(厚生労働省2015.3.31)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000080099.html

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