障害者の差別解消に向け、各省庁が意見を募集中

2013年に成立した障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)。障害者の社会参加を妨げる障壁やバリアといったものを取り除き、障害の有無によって生まれる機会の不平等を防いだり、合理的な配慮を社会に求めていくための根本となる法律です。
 

例えば、文部科学省や消防庁といった各省庁の職員が障害者に対して、どのような対応を行っていくべきか、どのような情報を事前に知っておくべきか。これらは障害者差別解消法ができたことによって、今まで以上に厳密に考えていかなくてはなりません。障害者雇用の法定雇用率が、公共機関の場合、民間企業より高い比率で設定されているように、各省庁の職員対応がひとつの基準となってきます。そこで「対応要領」が各省庁から8月中旬より随時公表されています。
 

現在パブリックコメント制度を用いて、この「対応要領」に対する意見や情報を各省庁は広く募集しています。それぞれの省庁の職務やサービス対応を考慮したとき、障害者に必要な配慮は何か?どうすれば機会不平等が生まれないか?心的ストレスがかからないか?これは当事者にしか分からない面もあれば、支援者だからこその視点で気づくこともあります。それらを伝えていくことで、より当事者の現実に即した対応に改善されていくかもしれません。
 

どの省庁の「対応要領」を見てもコピペに近い感覚を覚えたり、字面だけで解決するならもう解決しているのではないかと思ったり、人それぞれ感想はあるかもしれませんが、障害者の差別解消は法律が出来上がっただけでは解決するわけではありません。法律は運用されてナンボ。ここからがスタートです。不利益を受けた経験、困ったあるある、改善点の列挙、ただの愚痴。伝えた意見が有益な情報になるか否かを判断するのは、残念ながら私たちではありません。とは言っても、発信しなくては何も改善されないのもまた事実です。この機会にぜひパブリックコメントを残していってみませんか。
 

パブリックコメント:意見募集中案件一覧から「共生社会政策/障害者施策」で検索してください。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public
 

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