補聴器使用の子ども向け「音楽ワークショップ」

補聴器メーカーのオーティコン株式会社が、補聴器を使用している子どもたちを対象とした音楽ワークショップを8月9日(日)に洗足学園音楽大学とコラボレーションして開催します。同大学附属音楽感受研究所では、聴覚に障害がある方が今ある音楽を楽しむことが難しいのならば、楽しめるように音楽を作ってみることはできないのだろうかというアプローチで研究を進めており、今回のイベントでは、補聴器や人工内耳をつけた子どもたちに「聴く」だけではなく「奏でる」ことで得られる楽しさを体験できるようにプログラムされているようです。
 

本イベントのフライヤー画像
本イベントのフライヤー画像

 

「音の感じ方は人それぞれでも、音楽には感動を共有できる力があります。音には必ず意味があり、そして音は自分で作ることができます。本ワークショップを通じて、友達と一緒に音を作り、奏でることで“音楽作り”を体験し、難聴者と健聴者が一緒に“感動を共有する”ことを体験して欲しいと願っています。」

 

これは同研究所の研究長である松本祐二氏がプレスリリースに寄せていた言葉ですが、難聴者と健聴者が音楽づくりを通じて感動を共有するというのは素人考えでは想像ができません。聴覚に障害がある方への偏見や思い込みなのだと感じている上でお伝えしますがが、難聴者が音で楽しむというのは想像が湧きづらいものです。したがって、逆説的に考えると、その偏見や思い込みの上にある作品には、一般人が想像できない成果や価値があるのだと思います。
 

聞くことで言葉を覚え、話せるようになるというのは、子どもの発達上に起こりうる過程ですが、耳が不自由な場合、この過程に困難が伴います。音楽を聴いて楽しむということも難しいものです。障害が理由で発達上のリスクであったり、楽しめるはずのものが楽しめないという状態はすごくもどかしい。今回のイベントのように、メーカーと研究機関が道具と知恵を駆使して、その状態を覆すことは非常にポジティブなことですし、技術革新によって世界観が変わることもありえるでしょう。無理と決めつけたり、殻にこもったりするのではなく、チャンスを掴んでいくという姿勢によって、見えてくる、聞こえてくる世界も変わるのかもしれません。
 

(開催概要)
・開催日時:2015年8月9日(日) 開演:13:30 (開場13:00/終演15:30頃)
・会場:  洗足学園音楽大学シルバーマウンテン(神奈川県川崎市高津区久本2-3-1)
・参加対象:補聴器、人工内耳を使用している小学生(及びそのご家族、ご友人)
・定員:   先着30組(約100名)1組最大3名様まで申込み可
・情報保障:要約筆記
 

申し込みはこちらから
http://www.oticon.co.jp/ja-JP/info/2015/06/20150610/
 

(参考)
洗足学園音楽大学附属音楽感受研究所
http://www1.senzoku.ac.jp/onkan/concert/index.html

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