元マッキンゼーの採用・教育担当者が書いたということで話題になった一冊です。
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世界的なコンサルティングファームであるマッキンゼーの採用基準となれば、ビジネスマンも学生もマッキンゼーに憧れている人たちは知りたいでしょうし、企業の採用担当者や経営者も参考にしたいでしょう。実際、この本は10万部を超えるベストセラーになっているようです。私も人材ビジネス関係者として気になって読んでみました。
読んでみての率直な感想は「気持ち悪い」。
何が気持ち悪いかというと、全体を通じて「マッキンゼー最高」「マッキンゼーは一般的な日本企業とは違う」「他の会社もマッキンゼーを見習いなさい」という『マッキンゼー至上主義』です。マッキンゼーをよく知らない人が読んだら、マッキンゼーというのは新興宗教の一種だと思い込んでしまいそうなくらいのマッキンゼー礼賛です。
気持ち悪いという印象は読み始めてすぐに感じたのですが、それでもこの本を最後まで読んだのは、内容は「確かにそうだよな」と思える納得感の高いものだったからです。
タイトルは「採用基準」とありますが、本書を通じて著者が主張しているのは『リーダーシップ』の重要性です。そして、リーダーシップとはリーダーだけに求められるのではなく、組織のメンバー一人ひとりがリーダーとしての自覚を持ち、リーダーシップを発揮することが重要であるとあります。 また、リーダーについては以下のように述べています。
・「リーダーとは輪を尊ぶ人ではなく、成果を出してくれる人だ」と、実はみんな、理解している
・すべての人が日常的に使えるスキルである
・訓練を積めば、誰でも学べるスキルである
日本人はリーダーの資質がないわけではなく、社会の企業の制度によってリーダーシップを学ぶ場がないためにリーダーシップを発揮できていないというのが彼女の主張で、具体例にはやや極端な例も多いものの、今まで「リーダーシップ」について意識することが少なかった私にとっては多くの気づきを与えてくれる一冊でした。
また、リーダーシップを学ぶ場としてNPOやNGOの紹介もされています。先に書いたように、本書を読んだ方の多くはビジネスの世界での活躍を目指す大学生や社会人だと思いますが、「リーダーとは成果を出してくれる人」など、NPO関係者や社会起業家に憧れているような学生にこそ読んでもらいたい一冊です。
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