【イベントレポート】こまりごと解消かるた ー心の中の棚卸しー

6月9日、当団体主催のイベント「こまりごと解消かるた~自分のこまりごとが見えてくるかるた~」を開催しました。
 

「こまりごと解消かるた」は、自分の困りごとをかるたに書くことを通じて、心の中の棚卸しをしつつ、他の参加者の知恵を借りて解消法を考えてもらうワークショップ。新しい視点からの解決アイデアや気づきを得ることもできます。
 

今回はプラス・ハンディキャップのライターでもある杦本友里が進行役を務めました。当日の参加者の皆さまの発言などを紹介しながら、イベントを通じて個人的に感じたことをお伝えしていきます。
 

困りごとかるた
当日のスライドより

 

まず、真っ白なカードが5枚ほど配られ、それぞれが「困りごとかるた」を記入するところから始まります。
 

「困りごと」はどんなジャンルでもOK。仕事、家族、恋愛、趣味など、特に指定はなく、自分が気になっていることを書いていきます。
 

「自分は普段、どんなことに困っているのか?悩んでいるのか?」を改めて振り返る時間になりました。
 

困りごとかるた
 

全員が困りごとを書き終えたところで、一旦かるたは回収されて「解消法」の記入タイムに移ります。
 

他の参加者の「困りごとかるた」が自分のもとへランダムに配られ、その困りごとはどうやったら解消できそうか?を別の少し小さなカードに書き込みます。
 

他の人の困りごとはバリエーションが豊富で、その中には「わかる〜!」と思わず共感してしまうようなものもあれば、自分からみれば「こういうことで悩んでいる人がいるのか」と驚くような意外なものもあります。
 

参加者の年齢、性別、仕事、立場がバラバラなことだけではなく「考え方のくせ」のようなものによって共感性が変わってくるのかもしれません。
 

困りごとかるた
1枚のかるたに多くの解消法が集まることも。

 

他の参加者が書いた「困りごとかるた」や「解消法」を見て回り、感想を共有する時間がありましたが、様々な意見が出た中で私が印象に残ったのは、
 

色々な困りごとを書いたけれど、結局、全部つながっている気がしてきた。

 

という一言でした。たしかに、自分の困りごとかるたを並べてみると、ひとつひとつ眺めていくときとはまた違うものが見えてきます。
 

今回、私は「オンとオフの切り替えが苦手」と「あまり人付き合いをしたくないけど、それだとよい文章が書けない」という悩みを書きました。
 

私は他者の影響を受けやすいので、家に帰って一人の時間を過ごしていても気分を引きずってしまいます。なかなかオフになりません。他者と一定の距離を置く方が心理的には楽なのです。しかし、距離を置いたままだと、独りよがりの文章になりやすく、なかなか相手の心に届けられるような文章が書けないと感じています。
 

それぞれの困りごとには、つながりがあったのです。
 

自分の困りごとを書く、複数並べる、他の人に見てもらう、解消法を提案してもらうという行程を通じて、自分の困りごとを一歩離れたところから見ることができます。その結果、新しい視点や考え方が得られるようになります。
 

困りごとかるた
 

みんな、困っているなー。

 

ポソっとつぶやいた参加者からの言葉でしたが、とても耳に残りました。テーブル一面にズラリと並べられた困りごと。一枚一枚が、みんなの悩みなのだと思うと、なかなか迫力のある画です。
 

相手をパッと見ただけでは、どんな悩みを抱えているのかわかりません。ニコニコしていてほんわかした雰囲気の持ち主だったり、場を盛り上げてくれる明るい人だったり、落ち着いて的確なコメントをしてくれる人だったり。こんな言い方をしたら失礼かもしれませんが「悩んでいそう」とはあまり見えませんでした。
 

イベントが終了する頃には、見た目で決めつけていた自分を恥ずかしくなりました。立場や状況は違っても、それぞれ「困りごと」を抱えているのだと分かってきたからです。人それぞれいろいろあっても、明るく振る舞っているのだということが伝わってきました。そう、みんな、困ってる。
 

困りごとかるた
 

困りごとかるたは、内側に秘めていた困りごとを見える化してくれます。ぼんやりとしか捉えられていなかった困りごとの輪郭がハッキリとしてきます。
 

自分が何に困っているのか、よくわからない。どこから手をつければいいのか、途方にくれている。
 

そんなときは、まず「何に困っているのか」を特定する必要があります。困りごとかるたを書いてみるだけで、それが明らかになり、そして、ものの見方が大きく変わるかもしれません。
 

ライター:森本しおり
 

記事をシェア

この記事を書いた人

Plus-handicap 編集局