やりたいことなんてなくても死なない。will can mustで考える①

生きづらい人たちって、ざっくり分けると「やりたいことがあるけどできない人」と「やりたいことがない人」ではないでしょうか?
 

この「やりたいこと」というのはなかなか厄介でして「やりたいことの前にやるべきことをやれ!」という人もいれば「やりたいことをとことん追求すべき」という人もいます。
 

「やりたいこと」と「やるべきこと」。これに「できること」を加えて「Will・Can・Must」で情報を整理するという考え方があります。Willがやりたいこと、Canができること、Mustがやるべきことです。なんでわざわざ英語にするんだ!って話ですが、なんだか語呂的に言いやすいんですよ「ウィル、キャン、マスト」って。
 

will can must
 

生きづらい状態って結局はWill・Can・Mustのバランスが崩れてしまっているのだと思います。だから生きづらさを軽くするためにはそのバランスを整えてあげればいいわけです。
 

今回はまずWillのバランスの整え方を考えてみます。
 

Willがない人(やりたいことが見つからない人)はどうすればいいか

 

やりたいことがあるのにできないという人は能力不足かリソース不足のどちらかの可能性が大きいので、今回は取り扱いません。
 

生きづらい人の中に多いのは「やりたいことがみつからない」人たちだと思うのです。Willがない状態です。
 

Willがない人たちに伝えておきたい大切なことがあります。
 

Willなんてなくても死なない。Willがあるから偉いわけでもない。本当はWillなんてないのに、あたかもあるかのように語っている人もいる。だから、ないことを後ろめたく思う必要はないということです。
 

Willを見つけるために何ができるか

 

Willがなくても死にはしないけど、やっぱりWillを見つけてみたいという人もいるでしょう。
 

そんな方におすすめするのは、嫌なこと・やりたくないことを考えてみることです。Willの逆、「Will not」つまり「Won’t」を考えてみましょう。
 

例えば私の場合、

・明日の食べるご飯を心配するような貧乏は嫌
・毎日同じ場所に出勤しないといけないのは嫌
・嫌いな人と一緒に働かないといけないの嫌
・嫌いな人と同じ空間にいないといけないの嫌
・イライラしている人と一緒にいるの嫌
・偉そうな奴と一緒にいるの嫌
・自分が正しいと思えないことをやるの嫌
・内輪で盛り上がっている感のあるコミュニティは嫌

などなどがあります。
 

私の場合「●●が嫌」の大半は人に関することです。裏を返せば、一緒に働く人や一緒にいる人を自由に選べる状態でありたいということだと思います。
 

そして、今まで一緒にいて問題なかった人でも嫌だと思えばすぐに切れる状態が良いのです。
 

ほら「Won’t」を考えてたらWillの種ができました。
 

今回は「嫌なこと、やりたくないこと」というざっくりとしたお題で書き出しましたが「50年後のありたくない姿」だったり「こんな老後は嫌だ」でも「こんな死に方は嫌だ」など、場面を限定して嫌なことやりたくないことを書きだしてみるのがおすすめです。
 

will can must
 

Willがない人への接し方

 

ここまでは自分でのWillのつくりかたをお伝えしましたが、自分のまわりの人にWillがない、または相手のWillがわからなくて苦労しているという方もいると思います。周囲の人にWillがないときにどうすればいいのでしょうか?
 

結論から言えば、放っておいてあげてください。別にWillなんてなくても死なないのです。
 

Willがあったとしても、あなたに共有しなければいけない義務はないのです。だから放っておいてあげましょう。それでももし、相手のWillが知りたいのであれば、自分のWillを伝えてあげてください。
 

企業研修を仕事の一つとする私は、仕事柄、管理職研修の参加者から「最近の若い人のモチベーションの源泉がわからない」と聞かれることがあります。
 

そんなときはこうこたえています。
「あなたの仕事のモチベーションはなんですか?」
 

多くの方は、私の質問に対してしばらくの間黙ってしまいます。上司が自分自身の仕事のモチベーションを語れないのに、部下に語れという方が無理な話です。
 

相手のWillを知りたいのであれば自分自身のWillを開示し、そのうえで待ってください。「誰もが必ず一つはやりたいことをもっているんです!」みたいなウザい説教はいらないのです。
 

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この記事を書いた人

井上洋市朗

「なんか格好良さそうだし、給料もいいから」という理由でコンサルティング会社へ入社するも、リストラの手伝いをしてお金をもらうことに嫌気が差し2年足らずで退職。自分と同じように3年以内で辞める若者100人へ直接インタビューを行い、その結果を「早期離職白書」にまとめ発表。現在は株式会社カイラボ代表として組織・人事コンサルティングを行う傍ら、「生きづらい、働きづらい環境を変える方法」についての情報発信を行っている。