【イベントレポート】なにかあったとき、皆さんは誰かに相談するほうですか?しないほうですか?

皆さんは普段、自分が悩んでいることや困っていることって、素直に誰かに相談できますか?
 

6月23日に開催した「心のご近所さんマップー生きづらさを防ぐライフハックー」は、もし自分に不安や悩みがあったとき、誰に相談すればよかったんだろうということを振り返り、自分にとっての場面ごとの相談相手は誰かを整理するためのワークショップです。
 

今回は、当日の進行役(ファシリテーター)という立場から、途中のディスカッションなどで出てきた意見の一部をご紹介しつつ、イベントを終えて個人的に考えたことをお伝えできればと思います。
 

当日のスライドより

 

今回のイベントは、わたし自身が「相談相手って大事」と思うようになったきっかけ、そして今回のイベントの軸である「心のご近所さんマップ」の参考にしている「エコマップ」の話から始めていきました。
 

●参考記事:人間関係を見える化して、見直す。私が「相談相手マップづくり」すすめたい理由 
https://plus-handicap.com/2018/04/9279/
 

自己紹介をしてもらい、簡単なワークに取りかかっていただいたときにはワイワイ話をしていたのですが、いざ「心のご近所さんマップ」づくりをするときは会場も静まり返り、カリカリとペンを走らせる音だけが響いていました。
 

「心のご近所さんマップ」は、ざっくりと言ってしまえば、自分にまつわる人間関係を棚卸しし、整理したものです。棚卸しをする時間が、自身の孤独感や孤立感を防ぐことにつながり、生きづらさを予防することにつながるのではないかと考えています。
 

途中で何度か感想を共有する時間を設けましたが、みなさんの意見を聞いていると、相談に対するスタンスがそもそもバラバラで、相談とは何か?なぜ相談するのか/しないのか?といったそれぞれの考え方が飛び交いました。
 

「紙に書いているときはたくさん相談相手が思いつくけれど、いざ困ったときに連絡をとっているかというと、そんなにとっていない。このマップと実際は少しちがうかも。」

 

「昔から相談されることばかりで、自分が相談することはなかった。」

 

「子育てについては、学校やママ友とか色々な人と連携をとる。相談より連携に近いかも。自分が思いつかないような視点を取り入れられる。」

 

よくよく聞いていくと、相談する目的の違い、得たいものの違いがあるように感じられました。相談することで最終的な判断や決断に影響するのか、あるいは相談の時間を通じて知識を提供してもらうだけなのか。話を聞いてもらいながら頭の中を整理していくことは相談と呼ばないのか。
 

うーん、どうなんだろう?と思わず考えこんでしまいました。別に正解はないのですが。
 

「そもそも、相談って必要なの?」という参加者もいて、「本、最強説」を唱えられていました。専門知識を得たい、選択肢を増やしたいのであれば、その道のスペシャリストが書く本に勝るものはありません。本であれば好きなときに読めるし、コストパフォーマンスがいいという意見も上がってきて、「あれ、今日は何のワークショップを進めているんだったっけ?」と思ったのは正直なところです(笑)。
 

ただ、当日、わたしからのコメントとしてお伝えしたのですが「本を読んで解決できるなんてうらやましい」が本音です。私も比較的本を読む方ですが、それだけじゃうまくいかないこともありました。だから「本、最強説」に対して「わたしは、相談できるようになって楽になりました」としか言えないなと気づきました。参加者からの意見を活かして、自分自身の考えを整理できることは、進行役としてのぜいたくです。
 

 

わたしは、進行役の一仕事が終わった後に、少しモヤモヤが残っていました。それは「一人で解決できるのであれば、最初から相談しない方がいいのか?」ということです。
 

相談することに対して、相手への申し訳なさなどのマイナスイメージを抱いているひともいるのかもしれない。まったく正反対に、時間を作ってもらって話を聞いてもらうことを全然気にしないひともいるのかもしれない。
 

わたしは、前者に偏りすぎていたので、意識的に後者に寄せていって楽になったタイプです。だから、このイベント自体が、自分に合っていた方法を誰かにオススメしているだけなのかもしれないと気づきました。「これ、めっちゃいいよ!」と。
 

以前の私のように困りごとを抱えている人には有効な方法かもしれませんが、他の人は必要のないものです。当たり前の話ですが、状況が変われば対策も変わります。
 

相談相手の選び方には、自分と他者との関わり方が如実に現れます。わたし自身、このイベントをつくり、進行役を務めましたが、実際に参加者の皆さんと話し合うことで、まだまだ整理できていない新しいエリアが見つかった気分です。また一度練り直して、皆さんとともに「心のご近所さんマップ」を作りながら、いろいろな方の意見を伺ってみたいです。
 


 

※ さっそく、第2回「心のご近所さんマップー生きづらさを防ぐライフハックー」を開催します!
 

◆◆◆ 次回開催概要 ◆◆◆

【日時】 
8月11日(土)16時〜18時(開場15時半)
※イベント終了後、簡単な懇親会の時間を用意しています。そちらもぜひ!
 

【場所】 
EDITORY神保町 3階
東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル3階

※神保町駅から徒歩1分ほどです。
※上記リンクに神保町駅からの道順が記載されています。
 

【ワークショップ参加費】
1,000円
 

【当日の進行役】
森本しおり 一般社団法人プラス・ハンディキャップ
 

◆◆◆申し込みはコチラから◆◆◆
https://plus-handicap-20180811.peatix.com

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この記事を書いた人

森本 しおり

1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。
幼い頃から周りになかなか溶け込めず、違和感を持ち続ける。何とか大学までは卒業できたものの、就職後1年でパニック障害を発症し、退職。障害福祉の仕事をしていた27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、少しずつ自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。
自身の経験から「道に迷う人に、選択肢を提示するような記事を書きたい」とライター業務を始める。